琵琶湖で釣ったブラックバスなど、外来魚のリリースを禁止する条例を、滋賀県が制定したのは不当だとして、タレントの清水國明氏ら釣り愛好家が、条例に従う義務がないことの確認や、外来魚の駆除事業への補助金支出差止などを求めた訴訟の判決が大津地裁であった。
結果は「県の判断は十分な合理性があり、条例は適法」として、原告側の請求を全面的に退けたとのこと。
実態は知らないが、野尻湖でもソウギョやブルーギルが増え続けており、ワカサギの漁獲量が減っていると聞く。 そして湖畔の船宿は、ボートなど水上遊びに加え、ワカサギやバス釣りのサービスを提供することで、観光事業の一旦を担っているようである。
信濃町の観光事業を取りまとめる話し合いの中でも、バス駆除賛成派とこれらバス釣りを生業としいる業者とが反目する事態が見られ、それぞれ明確な意思表示をしないまま、今日に来ていると聞いたことがある。
野尻湖の場合、水藻駆除のために安易にソウギョを放したという経緯があるらしいが、そのために全滅したホシツリモを再生しようと野尻湖水草復元研究会という事業が展開されている。
しかし、このままで良い筈はない。 バスもワカサギも外来魚であることには変わりはないが、その獰猛さや繁殖の強さを考えた時、旧来からの自然の生態系を崩すという視点からもブラックバスの類を今のまま放って置くのは得策ではなく、一事業者の生活というレベルの小さな話ではない。 しかも、特定の湖沼のみに許可しても、愛好家が他の湖沼に放すことで限りなく全国に広がる可能性もある。
一部の釣り愛好家のために許したことが、結果として全国の湖沼の生態系を変えることになってしまうのである。 ブラックバスのみならず、トマト栽培の受粉をうながすために輸入した西洋蜂が、日本古来のミツバチの生態系を崩していること、多種多様なペットによるアレルギー症の発症、などなど外来種問題は多い。
島国であることで日本の自然が守られてきたのに、人間の不注意や行政の怠慢で、これらの自然が消えていくのは非常に残念なことである。
(旧徒然日記から転記)
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