映画「弁護人」予告
場所は、長野・権堂商店街の一角にある、「相生座・ロキシー」。
長野駅から歩いて20分ほど。
先日の「五島のトラさん」の時は平日にもかかわらず30名ほどの観客がいましたが、今日は4名。 ちょっと寂しい感じ。
物語は、高卒でありながら司法資格を取得したものの、司法書士の仕事を横取りするような不動産登記の事務所を開いたり、税務コンサルタントなどで集客、金儲けに勤しんでいた主人公が、貧しい時代に助けてくれた食堂のお母さんの子供がいわれのない赤狩りで警察に逮捕され自白強要させられた裁判に関わり、だんだん人権弁護士、市民派弁護士に育っていく姿を映したものでした。
最後の場面では、市民運動のリーダーとなって国家権力に囚われるも、その裁判場には、当時釜山にいた140数名の弁護士のうち、99名が傍聴に出席していたと、はじめは高卒弁護士とバカにされていた主人公を応援し心にかけるまでになっていたのでした。
弁護士は依頼主の意向に添って、その権利を守るのが仕事でしょうが、やはり基本的人権を守り、正しいことを貫くというのが本来の役目なのでしょう。
そういった視点で、今の日本を見ると、実に心もとないというか、権益に勤しむ金持ちや会社、糾弾されるべき政治家を守る弁護士がいかに多いか、はたまた市民に寄り添う弁護士であっても、大衆の気持ちを逆撫でることが多いようにも感じています。
日本の司法にかかわる人たちもこういう映画から少しは学んでほしいと思うものです。
それにしても、昨年末、ソウルで実施されたパク大統領辞任要求の市民デモを見ても、国家主権である市民の権利が韓国では十分に生かされ、民主主義が成熟しているように思われます。
翻って、日本を見ると、民主主義などはどこかへ飛んでいってしまい、金持ちやマスゴミ、政治家の意のままに政治や社会態勢が作られ、それに異を唱える人々はことごとく封じてしまっているのが現状です。
沖縄の辺野古米軍基地拡充に反対するグループのリーダーである山城博治さんを昨年捕らえ、その罪状が不明確なまま2ヶ月以上も勾留している沖縄県警の存在を見るだけで、日本の民主政治は地に落ちていると考えられます。
映画「弁護人」アフタートーク2016.11.19新宿シネマカリテ
2016.11.20ソン・ガンホ氏「弁護人」舞台挨拶
ちなみに、この映画の主人公は、後の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領。 親族の蓄財問題などで自死されてしまったが、韓国ではその人柄に思いをもつ人が多いようです。
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