九条というのは、もちろん日本国憲法九条のことであるが、日本の知識人の良識の府とも云えるであろう、井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、奥平康弘、小田実、加藤周一、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子の9氏が、平和を求める世界の市民と手をつなぐために、憲法九条を激動する世界に輝かせたいと考え発足させた会が九条の会である。
そこで、憲法九条を読み直すと、
(1)日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
(2)前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない
会の発足以後、地域ごとの九条の会が生まれているが、今月初旬に信濃町町議会議員全員がこの九条の会に賛同されたということを聞き、”すごい!”の一言であった。 先日、信濃町の重(十)大ニュースについて書いたが、その一つにもなろうと思う。
詳しくは知らないが、先の大戦では、信濃町から出兵したり開拓団として満州で辛酸を舐めた方もいたようで、そういった苦労の影に平和を希求する気持ちが党派を越えて今の議員達の心に残っていたのであろう。
今の憲法を占領軍のお仕着せだと嫌う方もいるが、お仕着せであろうと古かろうと、平和や安念を願うのは時代を超えたものである。 信濃町の行政にかかわる方々の心の中にそういうものがあるということは素晴らしいことだと思う。
”国を守る=軍備”と考えるのは早計だ。 北朝鮮による日本人拉致問題にしても、戦後処理をきちんとしてこなかった日本政治の結果(不始末)であろうし、国家権力がもっと早く真摯に対応していれば犠牲者も少なかったであろう。 北朝鮮のミサイルから防備するために最新の兵器を装備するなどというのは、もっとも短絡的な発想で、それこそ日本丸の操船を誤るもの。
アメリカはベトナムでの経験を生かさずに偽りの大義のもと、イラク社会を混沌の坩堝に落としめていると、同時にアメリカ社会にも深い哀しみを与えつつある。 そして憲法九条の精神を無実化し自衛隊をイラクに派兵、具体的な活動を国民に明らかにしないまま自衛隊員(国民)を危険にさらしているのが現実なのである。 更に、国民の税金が色々な形で占領軍(アメリカ軍)に湯水のごとく使われているのである。
そんな意味のない国費の乱用に対し、洪水被害や中越地震被害などの復旧や被災者に使われる予算はわずか。 来年は増税の嵐になりそうだ。 こんなに国民を愚弄した政治はない。
国を守る主張は大事だが、軍備増大だけでかなうものでないこと、国民の幸福とか安全がどうのような形で実現されれば良いか一人一人が考えるべきものと思う。
(旧徒然日記から転記)
0 件のコメント:
コメントを投稿