テレビ朝日が、毎日曜日放送している「題名のない音楽会」は、ジャンクフードのような番組が多い中で楽しみとする数少ない音楽番組の一つである。 この番組の司会と企画を嘗てしていた黛敏郎は、人物的には嫌いなタイプだが音楽家としての資質は大変なものがあり、その考察を聞くのが楽しみでもあった。 以降の司会者についてはそれぞれの特質はあるのだが、彼のように素人向けに音楽を開眼させてくれるような楽しみを与えてくれていない。
この番組の中で、成長期にある新しい音楽家を知るのも楽しみであるが、今回は若干23歳のジャズシンガーである「小林桂」であった。 痩身でシルキーな声に人気があるらしいのだが、あまりインパクトは感じず、2曲ほど聞くうちに「もう十分だ」という思いになってしまった。早速ネットで検索するとHP http://kobayashikei.com/ もあり、色々な活躍の場を持ちファンも多いようだ。 ある程度年輪を重ねるともっと深みが出てくるのであろうが今は脇に置いておきたい。 「お祖父さんの古時計」を歌った某も同様、最近は線が細くて口先で軽く歌うような歌手が好まれるのかもしれない。
それに引き換え、ニューヨークを活動の場にしているジャズピアニスト「上原ひとみ」 を知った時の衝撃は大きかった。 あの細い小さな体であれだけのパワーを表現する姿には熱いものがあり、すぐにCDを買うべくレコード店に走ってしまった。 あどけない話し方もいい。
秋吉敏子、松居慶子などニューヨークで活躍する音楽家は多いが、こういう番組から彼らの生き様や現在の栄光への努力などが垣間見えてくるのも、自分自身の評価の一つになっているのである。
(旧徒然日記から転記)
0 件のコメント:
コメントを投稿