日本テレビで、プロスキーヤー三浦雄一郎氏の父上である三浦敬三氏の特集番組を見た。
この所、氏の特集は欠かさず見るようにしているが、齢100才の今、子や孫の世話にならず、現役スキーヤーたらんと、たゆまぬ努力をされている姿やその前向きな生き様に敬服すると同時に、我々中年者の人生の良き師範者ではないかといつも思うのである。
番組を見た人は、皆”すばらしい人生だ”と感慨にふけったと確信している。 とは云え、氏の今日の生き様は一朝一夕で培ったものでなく、若い時代にスキーヤーとして果敢に人生に挑戦してきた姿勢が、今を作っているのであろう。 やはり其の日暮らしのような日々を過ごしていてはダメで、自分なりの人生の目標を持つ必要があるのである。 昨秋の園遊会での天皇との談話されている様子なども非常に謙虚で、氏のような功労者が賞賛されることは実にすばらしいことだし、「日本人の宝」と云っても言い過ぎでないであろう。
昨今、核家族化が促進されていると言われて久しいが、一般的にも人生の功労者の知恵を若者が知ることもなく絶やされているのは実に残念なことである。 若者は誰の干渉も受けず、自分の考えで決断し行動したいと思いがちであるが、何千年何万年と人類が生きてきた知恵というものを年配者は受け継いで来ているのである。 それらをみすみす捨て去ってしまい利用しないのは何とも勿体無い話である。
生活が多様化している時代にあって、身の回りで年配者の知恵を知る機会は少ないが、このような番組や情報ツールを若者がうまく活用して感じ取ってほしいと思うのは自分だけではないであろう。 そんな風に思えるようになったのも、自分がそれなりの年代になって来たということだ。
”お婆ちゃんの知恵袋”などという言い方をすることもあるが、”沢庵の漬け方”一つをとっても、このような年配者の知恵を町の行事として具体化したり、観光の目玉にすることで町の活性化策の一つとすることも可能だし、先人の知恵の継承の新しい形になると思うのだが、新しいプロジェクトが動いている信濃町にあっても一つのアイディアにはなるでないかと思うのである。
そんなことを書いていたら、本日のasahi.comのページで、三浦雄一郎さん親子がフランス政府から殊勲されたと知った。
昨年2月にヨーロッパ・モンブラン山系の大氷河をスキーで滑走した三浦敬三さん(100)と雄一郎さん(71)親子に、フランス政府が勲章「スポーツ・青少年功労章金賞」を贈り、18日、東京のフランス大使公邸で叙勲式が行われた。
敬三さんは15日に100歳の誕生日を迎えたばかり。札幌市内のスキー場で家族や友人ら100人以上に祝福され、鮮やかなシュプールを描いてみせた。「アルプスが大好きで、滑ってきたことでいただいた。誕生日のよい思い出になる」と話した。
雄一郎さんは「スポーツの面だけでなく、親子や家族のきずなも評価されたのだと思う。父が100歳になってなお元気だということを示せるのもうれしい」と話した。
政治面も社会面も嫌なニュースが多い中で、このような快挙を聞くのは何ともすがすがしく嬉しくなってしまうのは私一人だけではないであろう。
(旧徒然日記から転記)
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