昨夜のNHKテレビの番組で「熊除け」を特集していた。 バラエティー番組なので内容的には非常に貧弱だと思うが、熊に遭った時の対処方法やそもそも熊が里に下りないような策(栗の木の植樹など)については納得できるものであった。
信濃町でも、例年作物被害のみならず人身被害の報告がなされており、信濃町役場では就学児童に熊除け鈴を配布したり、携帯電話へのクマ出没情報配信サービスを行っている。(依頼方法は、教育委員会kyouikuiinkai@town.shinanomachi.nagano.jpへ件名「情報サービス希望」と送信するのみ)
竹の子採りや茸探しのために山に入ることがあるが、よく携帯ラジオを大きく鳴らしている現場に遭遇することがある。 自然溢れる木々の中でドロドロした下界を思い起こさせるような所作に、何故するのかと以前は非常に不快な思いをしたものだが、信濃町に来てクマ除けと迷子にならないためと聞き納得したものであった。
さて、熊除け方法だが、自前サイトの徒然日記(旧)徒然日記にも以前書いた事項だが、再掲してみた。
熊・予防策 1.ペットボトルを歩きながら押してペコペコ鳴らす。(熊除け鈴と同義であろう)
2.(もしもクマに出会ったら、)細い木の棒で縦に叩いて音を立てる。
3.背中を見せて走って逃げない。
4.大声を出す。
5.じっと立っているだけでもよい。その場合、身体を大きく揺り動かさない。
6.腰を抜かしてもよいから動かない。
7.にらめっこで根くらべ。
8.子連れグマに出会ったら子グマを見ないで親だけを見ながら静かに後ずさり。
(母グマがバーンと地面を叩く警戒音を立てたら、すみやかにその場を立ち去る)
9.ベルトをヘビのように揺らしたり、釣竿をヒューヒュー音をたてるようにする。
��0.柴(しば~葉のついた小枝など)を引きずって(音を立てて)静かに離れる(とがった棒でつくようなことはしない)。
これらの予防策は、木楽舎刊:「クマにあったらどうするか」 副題:アイヌ民族最後の狩人 姉崎等 聞き書き: 片山龍峰 という本から見つけたものである。
熊というと、すぐに北アメリカのグリズリーを思い起こし、怖いもの、恐ろしいものと思いがちだが、少なくとも我々の周辺にいる熊は、ドングリなど木の実を食べる草食が中心で、非常に警戒心の強いものの、動くものには関心を持つ動物なのである。
加え、戦後の針葉樹を中心とした植林政策のおかげで、山には落葉樹がなくなり、ひいては熊の餌になる植物が育たなくなった。 そして、川釣りや山菜採り、川遊びなど自然の楽しみ方が山の奥へ奥へと変わってきた。 そして、人間の食べ物やゴミを放置したり、単に埋めただけでは、熊は簡単に見つけるし、自然の実より味の濃い食べ物を舌で覚えてしまうのである。
射殺した熊の胃袋を見ると餌になるものが何もなかったと話している映像も見たことがある。
小熊は母熊と3年は生活を共にし生き方を学ぶのだが、母熊が殺されれば、自分の住処や山に戻ることもできず、人里に戻ってしまうことも考えられる。
現代の人々が熊の生きる環境を破壊しているがために、熊が仕方なく人里におり人に遭遇してしまうのである。 熊を単に恐ろしい害獣と見るのではなく、日本の国土そのものの生態系までを考えるきっかけとして、熊のことを考えてほしいと思う。
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