昨年、6月に藤原道山さんという尺八奏者のことを書いたが、今日、日経新聞の付録月刊誌「THE NIKKEI MAGAZINE」2月号に、「時空を超えた竹管の音色」と副題が付いて道山さんのことが掲載されていた。
前書きに、
尺八奏者、藤原道山(33)。
古典の流儀を守りながら、音楽の幅は従来の尺八の粋にとどまらない。
クラシック、ポップスなど多彩な曲目を演奏し、共演者と作り上げる空間は
変幻自在だ。 冬の一日、時空を超えて響く音色の神秘を語った。
とあるように、心豊かにしてくれる非常に素晴らしい演奏家の一人であると思っている。 師匠である山本邦山も、日本古来の音楽に新風を吹かせた方であるが、もっと優しく一人一人の心に語りかけてくれるのが、藤原道山の演奏である。
小さな演奏会場だと、終ってサイン会を催しており、その際の彼の横顔は、ややあどけなさもあり、はにかむような仕草に、性格の良さが迸るものがあった。 妊娠された女性の会に出かけたり、その活動は演奏だけに限らず多岐にわたり、以前NHK教育テレビでも見かけたことがあった。
弱冠33歳ということなので、将来が非常に楽しみな奏者であり、世界に活動の場を広げられる力を持っておられると思う。
彼の音楽を、"癒し"とか、"ヒーリング"だとか言う方がおられるが、そういう商業ベースに乗ったような表現をしてほしくないと常々思っている。 彼が持つ「神秘性」。 そういうものが多くの人に支援される由縁かもしれない。
以前も書いたが、野尻湖の琵琶島で彼の演奏が聞けたら、本当に素晴らしいと思う。 時空を越えた、彼の演奏が実現する場として、琵琶島は最もふさわしい場であり、歴史的な意味を包含していると確信しているからだ。
来月発売予定のCDで、新しい演奏を聞けるのが楽しみ。
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