昨日、神戸で優先席に座っていた高校生らに対し年寄りに席を譲るよう注意したが、無視されたので殴ったという20歳代の男性が逮捕されたとニュースで知った。
現場に行き合わせていないので何も言うことはできないが、高校生にとって優先席の意味も注意されたことの意味も全く分からずに、諫言を無視したのであろう。 10歳そこそこの年代の違いでも認識の差は大きいのである。
このように勇気ある行動が理解されないことは多くあるし、もう我々のような年代になると、はなから注意してもダメだと諦めてしまっている所にも問題がある。
長野駅から乗る信越線も短い車両だと時間帯によってはかなりの乗客がおり、高校生1~2名がボックス席に荷物を置いて占有していることもしばしば見られる。 それを我々は注意できないのである。
今月から、横浜市営地下鉄は全席を優先席にしており、落語家やミュージシャンを起用し優先席の活用を再三アナウンスしている。 市政の方向としてはうなづけるが、こういうことまでしないと年寄りや障害者をいたわる気持ちが湧いてこないのは何とも嘆かわしい。
戦後の教育や企業の中で勝ち抜くことしか教えず、真に他人を思いやる理念を持ち続けてこなかった所作の結果なのであろう。 同時に体力のない若者は、年寄り以上に年寄りになっているのかもしれない。
バブルや右肩上がりの経済の時代が終わり、ひそかに海外の巨大資本に日本を売り渡すような場面が見え隠れしている今日、戦前を含め過去をきちんと清算し、人が生きること、人々と共存していくことの意味をもう一度整理して日本人の理念として確立しなければならないと思うものである。 しかし、議院や官庁にそういう意識を持った人材がどれだけいるのか、最後は諦めのため息しか出ないのである。
(旧徒然日記から転記)
0 件のコメント:
コメントを投稿