再び、一茶記念館の講座を受講した。
今回の題目は、「句にあらわれた一茶の社会性と政治性について」で、講演者は専修大学青木美智男教授である。
先生は、近代史が専門で、百姓一揆などを勉強されてきたが、小林一茶の句の中から、一茶が生きた時代と一茶自身の生き様が分かると解説されていた。
一茶の句から時代像を読み取るということで、
1.信州村落での民間教育の様子
2.江戸裏長屋での暮らし
3.信州人の江戸稼ぎ
4.一茶の異国観と自国観
とに分類され、それぞれに数句ずつ実例をあげ解説。
その中で、
- 御仏やエゾが島へも御誕生
- 花さけや仏法わたるエゾが島
- 江戸風を吹かせて行くや蝦夷が島
- 来て見ればこちが鬼也蝦夷が島
などは文化文政時代のアイヌ同化政策の実態が分かるものであった。
平均余命30数歳の時代に65歳まで生きた一茶の、”生”に対する執着心や時代をきめ細かく見る目があったからこそ、晩年、小さな生物に対する優しさを詠う句が生まれてきたという結論であった。
前回の原子朗さんの講座と同様に今回も実りの多い話を聞くことができた。
(旧徒然日記から転記)
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