長崎市内の観光は端からするつもりがなかったが、今日の目的の、キリシタンの里である外海(そとめ)まではだいぶ時間の余裕があったので、近くの西坂公園へ寄ることにした。
西坂公園は、豊臣秀吉の命により1597年キリシタン26名が殉教した地である。 京都で捕らえられた外国人6名を含む24名に途中2名が加わり、26名が1月10日のちの西国街道であろう道を長崎へと向かった。
12歳の少年であったルドビコ茨木を含む26名は、浦上街道の終点である西坂で殉教したわけだが、通常の刑場はもっと奥にあって、特に断崖の地を選んだらしい。 現在、NHK長崎放送局がある周辺は、崖下の海岸であったわけで、処刑後も十字架上にしばらく放置されていたようだが、死骸はこの崖下に放棄されたのかもしれない。
処刑は2月5日。 我々はその日付と同じ日にこの地を訪ねたのであった。
冬場は、外海(そとめ)へ行く直通バスは少なく、桜の里バスセンター経由で黒崎で降りた。 まず訪ねたのが黒崎教会、そして車の道を30分ほど上りきると、道の駅夕陽が丘そとめがあった。 長崎県で一番最初にできた道の駅だとか、海へ張り出した眺望の良い所である。 そして、この一段低くなった所に遠藤周作文学館はある。
時刻は既に5時を回っており、入館できる時間ではないので外海(そとめ)の海(角力灘)を見た所で今日の見聞は終わった。 夕陽が丘と名づけられているように、ここの日没の景観はすばらしいらしい。 我々が訪ねた時はお日様が雲に隠れてしまい、輝いた夕景を見ることができなかった。 そこで、撮った写真に絵葉書の一部を小さく貼り付けたものを下段に掲載した。 一介の旅行者がこういう景色に出会えるとしたら、それこそ幸運な人であろう。
ここのバスは1時間に1本しかなく、しかも5時過ぎで終バスは行ってしまう。 キリシタン墓地を横に見ながら、帰りも歩いて下って来た。
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