村のかじや・中村家が５月５日まで公開中です

昨夕小雨がおちていましたが、場所によっては霙まじりの雪が降っていたようで、この所冷たい風が吹いています。　今日は若干陽が出て窓辺にいると暑いほどでしたが、風の冷たさは相変わらずで、結局、家全体を暖めた方がいいであろうと、終日薪ストーブを焚いてしまいました。

さて、信濃町の古間地区は、打刃物の里として知られており、見学ツアーもありますが、１９２６年にカナダから来られた宣教師のストーンさん（三浦綾子著「氷点」にも登場しています）が、鍛冶職の厳しい労働が軽くなればと動力ハンマーの導入を紹介してくれ、多くの鍛冶職が電動による鎌製作に切り替えたとのこと。
旧来の鍛造方法を伝える人が少なくなるなかで、その伝統を最後に伝えた鍛冶職が中村与平さんとフデさんであったのです。

中村家の場所は、黒姫駅に通じる柏原交差点より５０〜１００ｍほど妙高寄りの右側。

日本全国を見ても、鍛冶場が残っている所は少ないと思われ、この中村家住宅は日本の産業や生活という視点で歴史を伝える重要な1ページだと思われます。
１９８９年に私が初めて黒姫に来た時、与平さんの存在は聞いていたのですが、注文は７年も８年も先だと聞いて、与平さんの作品の入手は諦めていました。

現在は、信州「村のかじや」友の会が組成されて、建物保存への協力や、時々、鍛冶場の公開や説明を行なっており、今春は本日から５日までの３ヶ日間、公開されています。

鍛冶に使う炭も、与平さん自ら焼かれた由。

金床台は、栗の木から作られた臼のような形をしたものが、土間の中に埋められているとのことで、表に無造作に置かれてあったのは初代の金床台です。

神棚には、鍛造で作られた刃物のような槍のような形をしたものが祀られていました。

存命時にテレビ放映された映像で、在りし日のの作業風景や、与平さんの声を見聞きすることもできます。

テレビの収録風景の写真がありました。　米朝さんもずいぶんとお若い。

新聞記事の切り抜きもたくさん掲示されていましたが、中に、サッポロビールの広告に与平さんが登場したものがありました。　いい笑顔ですね。

鍛冶場であった中村家は、信濃町の貴重な文化財ですので、限られた公開日ですが、ぜひご覧になっていただきたいです。
公開中は、国道をはさんだ斜め向かいの空地が駐車場となっており、それ以外では、信濃町役場周辺もしくは一茶記念館駐車場に車を止めて、少し歩いて行かれると良いと思います。

なお、中村家からもう少し妙高寄りの、戸隠に通じる交差点の手前、左側に「村のかじや」の記念碑が建っています。