イギリスから訃報が届く

上の写真は、信濃町に近い中野市の野菜販売所オランチェで、味噌スープを味わっているかつての老夫婦です。

２０年前、２週間の休暇を取ってイギリスを周遊する旅に夫婦で出たことがありました。
日本からヨーロッパ鉄道チケットを購入し、ロンドンから始まって鉄道を利用してイギリス全土を巡ったのですが、その後半の旅で、ウェールズの民俗博物館を訪ねていた時に、泥炭の説明の所でスミスさんというご夫婦に出会い、その詳細を聞いたのでした。

ウェールズは、CWニコルさんの出身地でもありますが、中世の時代を思わせるような村が博物館として残されていたのでした。
その時の縁で、２０年来イギリスのこの老夫婦と文通を重ねていたのですが、今日、ご主人が亡くなられたと息子さんからメールをいただきました。

交際が始まってから、息子がロンドンで結婚式をあげる時もウェールズから来て参列してくれ、我々がヨーロッパに出かけた時にも寄ってほしいと、何度も泊めていただきました。　地域のダンスクラブに行って一緒に踊ったり、フラワーガーデンへ行ったり、バルでの食事も今を思うと懐かしいです。　復興した蒸気機関車の鉄道にも乗せてくれました。

高齢にもかかわらず、２００７年には、ユーロ安円高ということもあって、彼等にとっては世界の果である日本を訪ねてくれ、横浜や鎌倉、京都、そして長野の黒姫へも案内したのでした。

我々の弱い英語力に加え、生活習慣の違いから、十分に日本を理解してもらえたか分からないまま、成田空港で彼等を送る時、我々は安堵の気持ちに浸っていましたが、今思うと、もう少し意思疎通が出来ていたらと思うばかりです。

縁が薄くなるというのは実に寂しいものです。