異様に高い国民健康保険料

今日の暦から　：　食欲の秋、肥満に注意

　退職後の健康保険については任意継続という形で加入して来た。　これは前年の市民税額を基準に国民健康保険料が算定され、退職後すぐに収入が減少することによる個人への負担を軽減するための措置と理解していた。
　２年間の任意継続期間が終了したため、本日、国民健康保険への加入手続きをしてきたが、役所の窓口で発行された保険料額を見て唖然とした。　任意継続時に支払った額の５割増なのである。

　渡された資料の中から、保険料額の算定方法を記そう。
　　医療分（市民税額×１．５２＋均等額４２，６２０円×被保険者数）　：　上限５６万円
　　介護分（４０歳以上６５歳未満の被保険者の市民税額×０．４５＋均等額×被保険者数）　：　９万円
　上記、医療分＋介護分を１２で割ったものが、おおよその月々の支払額になる。

　これから支払うことになる保険料の年額と上限額（医療５６万＋介護９万）を較べ、相応の額にあることと自分の暮らしぶりを見た時、異様な高さを感じた。　と同時に、上場企業の社長や会長など、自分よりはるかに高額な収入の人はもっと沢山居るはずだが、そういう人であってもかかる上限額だけの保険料なのである。
　健康保険料だけでなく市民税、所得税、固定資産税、自動車税、消費税と、我々は大きな税金や保険料を払っている。　それらを加えたら年収の半分にはなろう。
　高収入の人は相対的に負担率が減るので、その分、可処分所得はどんどん増えるわけだ。
　先日、健康保険料の滞納者増大が社会現象にもなっているとテレビで放送していたが、たぶん払いたくても払えないのではないかと思う。　確かに義務教育期間の給食費の滞納など、親の怠慢ではないかと思われるようなことはある。　しかし、あまりに高い保険料に支払えないのが現実だと思う。　そういう中にあって企業はパートやフリーターという低賃金の労働者を多方面で利用している。
　ますます収入は減り、我々に科せられた税等の類はどんどん高額になっている。
　収入に対するこれら社会保障等の負担には、相応のバランスが必要の筈だが、日本の行政は全体を見ずに個々の制度だけを見て、その維持にやっきになっているのである。　国民一人一人が感じる総体的な負担という見方から、制度の維持が論じられていない。

　健康保険料をむやみに高くして制度を維持するのではなく、
　　薬価基準を見直すとか、
　　製薬会社に単価の安い薬の提供を促すとか、
　　老人に予防医学を説くとか、
　　保険制度を悪用した医師や病院には多額な課徴金を強いるとか、
色々な方策が考えられると思う。

　６５歳を越えると介護分はなくなるらしいが、別途介護保険が科せられるし、７０歳からはまた違った形で保険料を負担させようと国は考えているらしい。　「国民から取れるものは何でも取れ」というのが国のスタンス。

　とにかく、誰もが安心して暮らせるような社会保障制度を確立するべきであろう。　財源がないからと、安易に消費税率を上げようとするのは愚の骨頂である。　自衛隊の軍備費、アメリカ軍の日本駐留費用の負担、イラクの給油支援など、そんな費用を半分でも減らしたら、我々の保険料負担は随分と軽くなる筈だ。
　国民よ、もっと目を開け、政治の実態を見ろ！　と言いたいのだが．．．
　今日は、そんな怒りに包まれ疲れた一日になってしまいました。