開高 健とC.W.ニコルの「野性の呼び声」という対談集を古書店で見つけた。 1984年4月の出版とあるから、開高氏は54歳、ニコル氏は43歳の時である。 開高氏は4年後に58歳という若さで病死しており、ニコル氏は現在67歳と健在で、黒姫駅前でたまに見かけるが、風貌は別人ではと思えるほど変わってしまっている。
本書では、両氏の、世界各地での生活や旅体験からもとづいた人生観が述べられており、なかなか機知に富んだ内容となっていて、面白く合点のいくことが多いと思った。 前半は、開高氏が黒姫のニコル氏の住まいを訪ねた時のもので、黒姫駅構内や駅前商店街で撮ったのではないかと思われる写真が掲載されている。 後半はニコル氏が上京した折のようである。
そんな対談の中で、ただ、"気ままな食習慣"と敢えてこういう表現を使うが、そういう生き方が開高氏を短命に終わらせただろうし、ニコル氏も年齢以上に老けてしまっているように感じる。 そういう所だけは相容れないものを感じた。
本書に掲載されている写真は立木義浩氏によるもだが、四半世紀前の両氏の笑顔に出会えるであろうと、掲載されている写真の一部をイメージに取り込んでここに残すことにした。
本書は、1986年に文庫本として再販されているようだが、検索してみても初版本は古書店にもあまりないようだ。
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