13日、19日と、信濃毎日新聞は野尻湖の話題を記していた。
その一つは、「信濃町の野尻湖花火大会 今夏は実施」というものである。
協賛金不足などを理由に、昨夏の開催を中止した信濃町の「野尻湖花火大会」について、町観光協会と野尻湖漁業協同組合、町などは12日までに、今夏は7月28日に開くことを決めた。近く実行委員会を立ち上げ、準備に入る。
82回の歴史がある「野尻湖花火大会」は昨年、運営の担い手と協賛金不足を理由に中止となった。その後、夏祭りの一環として同漁協が中心となり、05年までと同規模の花火を打ち上げた。
野尻湖を訪ねる観光客の激減に伴い、観光を生業にしている人々の唯一の頼みはウォータースポーツであろうし、昨年は野尻湖花火の実施を漁業組合に委ねた気持ちも分からないではない。
しかし、野尻湖の生態系を崩してしまうブラックバスやソウギョなどの釣りを許してしまうのも具合が悪い。 今年は、その辺りの関係者の総意がまとまったのであろうか、釣具メーカーなどの協賛金にのみ頼る花火大会では、早晩長続きはしないであろう。 斑尾高原で行われていたジャズフェスティバルがいい例である。
そして、二つ目のニュースが、「自然採卵による野尻湖のワカサギ、人工ふ化が好調」である。 ワカサギも外来種ではあるが、バス類とは趣を異にしている。 ワカサギのかき揚げなどは大変美味なのだが、今冬は頂き物を1回食しただけだ。 地元スーパーで地元産のワカサギが買えないのも残念である。
ワカサギの卵が入ったふ化装置。安定供給の道が開けてきた
今季から自然採卵によるワカサギ養殖に取り組んでいる野尻湖漁業協同組合(信濃町)の人工ふ化が好調だ。野尻湖産の卵を、ふ化装置に入れたところ、これまでに9割以上が卵からかえり、装置につながっているパイプを通じて湖に出て行った。同漁協は「大成功。安定供給という目的が達成できそう」と喜んでいる。
親魚が別の水槽で自然産卵した卵を、直径16センチ、高さ1メートルのアクリル板の筒8本があるふ化装置に移動。筒ごとに4000万粒近い卵を入れ、水温を一定に保つため、掘った井戸の地下水を利用して育てた。
同漁協は、これまで北海道などから購入した卵を木枠に付けて湖に入れていた。だが、ふ化に適さない水温の時期に卵が届くこともあり、ふ化率は「2-3割程度」(同漁協)だった。親魚が自然産卵した卵を集める方式にしたことで、卵が育ちやすい状態で管理できることがふ化率が高まった要因とみられる。
親魚を捕る漁は3月下旬から今月17日まで行い、約600キロを捕獲。卵は約25キロ採取した。例年40キロ以上の卵を放流するが、ふ化率が上がったため、野尻湖産の稚魚だけで例年の放流数を維持できるという。
松木照武組合長は「ふ化装置の中で、稚魚が次々ふ化し、光を反射しながら泳ぐ様子を初めてみて驚いた。野尻湖のワカサギは人気があるので、将来はに出荷できるまでにしたい」と話していた。
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