山畠や蕎麦の白さもそ(ぞ)つとする
9~10頁では、一茶が「こよなく愛した信濃蕎麦」と題して、信濃町の特産である蕎麦を特集し、まずは蕎麦饅頭の写真から始まっている。
標高700mの霧と火山灰地が美味しい蕎麦を育てていると云われているが、この霧は蕎麦だけでなく美味しい野菜の生育にも効果を発揮しているように思う。 トウモロコシやトマトなど、真夏の野菜は大変美味しい。 この霧下というのは、早朝我が家からもよく見えるが、明け方になると自然に湧き、薄い雲が横一直線にたなびいているようになって、仁の倉から黒姫開拓辺りまでの集落を隠してしまう。 そして8時頃になって温度が上がってくると霧は自然に消えてしまう。
インスタントラーメンの元祖だと言われる、凍り蕎麦のことも書かれているが、少し珍しいだけで、それほど美味いものだとは思わない。 昔の人々が知恵を出して保存食品を作ったという所に意義があるのであろう。
10頁目では、若月さんが蕎麦を打つ風景を写した写真が載っている。 この雑誌が発行された頃であったか、若月さんは柏原小学校の奥に蕎麦を食べさせる店を開き、小学館の他の雑誌にも顔を出されていた。 開店当初は何回か行ったが、最近は全く行かなくなってしまった。
11~12頁では、「野山の珍味を食卓へ」と題して、春先の山菜や秋の茸採りを説明している。 信濃町の山菜となると、一番に挙げられるのはタケノコ(ネマガリダケ)であろう。 ぜんまいやワラビ、コゴミなども充分取れるが、太くて軟らかいものとなると、妙高や志賀の奥で採れるものに負けてしまう。
頁の下段で、辛漬けを記述しているが、これだけでは一般の方は分からないかもしれない。 長さ20cm弱の青くび大根というのか、これと青々とした辛し(ピーマンや赤唐辛子の形に近いもので非常に辛い)を一緒に漬けるのである。 辛しの香りが大根に染みとおり、これは兎にも角にも美味しく、お茶おけには一番であろう。
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