黒姫えんめい茶(和漢薬研究所)で出版されている小冊子「草物語」が手元にあった。 えんめい茶を生涯の生業にされた狩野誠さんには、「薬になる野菜と野草」など数冊の著作があるが、この小冊子は、そのえんめい茶の歴史を足早に知ることができると同時に、50種の草の薬効やメモ情報を分かりやすく纏めたものとなっている。 | |
表紙をめくると目次があり、その横に狩野さんの信条であろう草心が記載されている。 ・草の根のようにしっかり ・草の花のようにやさしく ・草の実のようにつよく |
本冊子には、昭和32年に出版された「開拓農民」に書かれた武者小路実篤の序文、さらにニコル氏との対談が載っている。
そして、露草、母子草からはじまり、蒲公英(たんぽぽ)に終わる50種の草の、草言葉と薬効が簡潔に書かれている。
自分自身、このような草についての知識は持ち合わせていないのだが、我が家では春になると、山里歩きの中でよく目にするタンポポの若葉を摘むことがある。 ベーコンを小さく刻みフライパンで焦がした中に、この若葉をさっと入れるのである。 ほろ苦さはあるものの春の香りが感じられる一品なのである。 味はルッコラに似ているかもしれない。 便秘、利尿、胃腸病などに効があるとここには記されている。
開拓農民の序文とニコル氏との対談は、野草茶房のページにも掲載され公開されているものなのでここにも残すことにした。
1.武者小路実篤の序文と荒野に灯をともせ「ニコル氏との対談」
2.ニコル氏との対談 その2
3.ニコル氏との対談 その3
4.ニコル氏との対談 その4
この冊子の最後には、「一枚の葉っぱ」と題した後書が載っている。 聖書に、「一粒の麦が地に落ちて死ねば、やがて多くの身を結ぶ」(ヨハネによる福音書?)という節があるが、野にある草にもそれぞれの役割があるということだし、草を愛でる心を持つことは、人間が生きることにもつながることだと、教えてくれる小冊子になっていると思った。
0 件のコメント:
コメントを投稿