今日の暦から : 食事は常に規則正しく
私は西洋医学を否定するつもりはありません。 西洋医学が「効く」病気に対しては、迷いなく西洋医学の治療法を患者さんにすすめます。 大切なのは、西洋医学の弱い部分をカバーするために、別の戦術もたくさん用意しておきましょうよ、という点なのです。 西洋医学と中国医学、そして代替療法のいいところを統合して治療していくのが、私の使命だと思っています(本文より)。
埼玉県川越市で帯津三敬病院を営む帯津良一氏の「死を思い、よりよく生きる」と題した著作を読んだ。
第1章のタイトルは、「死と向き合って元気に生きる」
まず初めに、「命」の存在は、宇宙の大きな流れの中で循環し、その虚空の中の一点が我々の「生」であり「死」と説く。 「死」は生命の終着や消え去ることではなく、数百億年という虚空の循環の流れの一つなのであるということ。 輪廻転生という別の生命体に生まれ変わるという思想より、とてつもなく大きく、力づけられる勇壮な考え方ではないかと思った。
肉体という物理的機能の衰えはいたし方ないこと。 普遍的な「心」を持つことが大事で、そういう中で仮の姿である人間という生命体をより良く生きながらえようとするわけだ。 そのための療法がホリスティック医学。
死に向き合うことで、より良い人生を過ごすことができると、著者は説く。
先日記したガイアシンフォニーや鯨の詩にも一脈通ずる考え方ではないかと思う。
ホリスティック医学のホリスティックは、ギリシャ語のホロスから来ており、ホロスは「全体」を意味するとのこと。 ヘルス(健康)もヒール(癒し)も、このホロスを語源としているとある。
信濃町役場とペンション・オーナーなどが進めている「癒し事業」の詳細は知らないが、観光事業の一環としてではなく、こういった精神性を含めた深いメンタリーな要素を含めたものでなければいけないと思う。 「癒し」は、「生きる自信」を呼び戻すことでもあろう。 「癒し弁当」を楽しむより、深淵としたお堂で座禅を組む方がよほどふさわしいカリキュラムだと思う。 観光収入は後からついて来るというような鷹揚な考え方で、理念ありきで行われないと早晩総崩れになるのではと杞憂してしまう。
中国の気功は、体に気を通すという意味では虚空という概念に合致するものらしい。 家内は、ここ数年気功教室へ通い、免許状を取得する所まで至ってきたが、自分の意図している所と教室の動きが合致してないと、しばらく離れることとし、自分の理念、自分と周囲の健康のためだけにと日々気功を行っている。 脇から見ていて、生きる自信を持つ、生き方を変える、という意味では、この気功は大変良い所作だと思える。
森林浴やマイナスイオンなどのうん蓄を述べるだけの「癒し事業」であったら、早晩行き詰るのではないだろうか。
本書では、色々な代替療法が簡単に書かれており、それぞれ良いものだが、何に効果があると、具体的な言明はない。 それは患者が自ら体験し自ら掴んでいくものだと言う。
飯綱高原の「水輪」を紹介するなど、万遍過ぎの、八方美人的な書き方をしており、帯津氏の行き方も含めて、納得てきない箇所もあるが、中盤までは自分なりに含蓄できる内容となっていた。
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