そのためか、20世紀に入り国家間、民族間などで多様な紛争が増え、それらに対し宗教が何ら解決への糸口にすらならなかったことへの反省であろう、エキメニズムという交流や理解の場を求め、そのために対話の大事さというのが強く尊ばれて来た。 エキメニズムはキリスト教会の一致を目指すということだが、大きく異種宗教との対話という意味に発展して来ていると思う。
しかし、先の、カトリックの総本山の長であるローマ法王がイスラム教に対し、その存在を否定するような発言をしたということは、そういう対話の流れを逆行させるものであろうし、ユダヤ覇権主義に取り込まれたブッシュ米大統領の妄想を影から支えるものになったであろうと思う。 だからイスラム国からの大きな反駁を招いたわけだ。
ベネズエラ大統領が国連総会で、ブッシュ大統領を「悪魔」と非難したと言うが、イラクでの7~8月の死者数は6000人を越えると言う。 レバノンや先の湾岸戦争、さらに遡ってベトナムなどを含めたアメリカ軍により殺戮された民間人の死者数は大変な数字であろうと思う。
そういう風に見ると、「悪魔」という表現は当たっているし、地球上の紛争に国連が十分機能していない所にも南米諸国が苛立ちを感じているのであろう。
ポーランド出身の前法王は、冷戦時代を終焉させるという大変な偉業を成しえた人であったと思う。 現法王のあまりにも異なる人柄に、宗教とは何かという原点に戻らざるを得ない思いを彷彿とさせるAFPの記事であった。
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