東北大地震および福島原発事故の被災に対し無策で棄民政策を貫いた菅政権がやっと終わったと安堵した所、次に誕生した野田政権は復興復旧支援をどこかへ置き去りにしてしまったようで、消費税増税やTPP参加という国民不在の政策に腐心している。
あれほどまでに期待した政権交代であったが、鳩山、菅、野田と、これほどまでに国民をバカにして来た政権があったであろうか? 沖縄米軍基地問題は棚上げしてしまい、地震・津波被害者への救済や福島原発事故の収束を担当大臣や地方官庁へ任せたままで、野田首相はいいと思っているらしい。 今、解決しなければいけないことを後回しにして、国民に負担を強いる政策ばかりに拘泥しているのに、何で国民は怒らないのであろうか?。
海外の政治家(のみならず一般人も)から見た日本政府そして日本人って、すごく不思議な存在という認識を通り越して、「未曾有の危機にあって、何も出来ない、何もしない国家もしくは民族」だと、物笑いの対象に成り下がっているのではと思う。 そういえば、ドイツの番組でそんな日本を揶揄した放送があったらしいが、海外の主だった要人の心の内には日本という存在はとうに消えているのかもしれない。
加え、大王製紙の元会長がギャンブルで100億円も損をし、会社のカネで穴埋めをしたというニュースが流れたと思ったら、今度はオリンパスの前社長らが証券投資による損失を企業買収という方法で支払ったカネを還流させ穴埋めしたということらしい。 こちらも証券投資ではなくギャンブルによる損失であったと報道している所もある。
日本政府の能力の無さに加え、コンプライアンスの無い日本企業では、日本という国に対する信頼度はどんどん下がるばかりでしょう。 バブル崩壊以降、日本経済はマイナス成長を続けているのに対し、中国は5倍の経済力にまでに成長しているとのこと。 トヨタ、ホンダ、パナソニック、ソニーなどと世界の有名ブランドであったはずが、その名は韓国やインドなどの後進企業に置き換わりつつあるらしい。
そんな時にあって、野田首相はTPP協定に参加すべきだと言うが、何のために日本を開放するのか、それが国民にとって良いことなのか明確な声明はない。 かつてアメリカに移住したヨーロッパ人が馬と拳銃でアメリカ・インディアンを殺し隷属させ、土地を取り上げてきたように、日本も門戸を開いた経済活動という名の元に略奪され、その結果として国内の産業構造は崩壊し、あらたな貧困層を生み出すことにつながってしまうことでしょう。 そして総人口の1%にも満たない起業家・政治家・金持ちだけが更に豊かになる社会構造が作られるのみであると思う。
現在の政治課題の中心はTPP問題と復興増税(+消費税)だが、NHKなどのニュースでは、TPP問題は賛成と反対の意見があるという程度の紹介で、増税については一人あたり数千円の負担であると、ことさら大きな負担でないという印象を与えようとしている。
しかし、先日見た「新婦人しんぶん11月10日号」では、年収500万円の家庭で、年間26万円の負担になると試算し、厚生年金の掛金上昇や所得税の扶養控除廃止などがあると、年間で30万円から50万円の増税になるとしている。(下段クリックで本文表示)
NHKのニュースなどでは、ある一点を取り上げて殊更に矮小化した説明しかしない。 しかし、国民は毎日働いて収入を得て生活をしており、税のみならず社会保険なども含め、ある程度長いレンジでの負担というものを考えなければいけないし、具体的に見えてこない税や支払い負担も加わって来ると思う。
「日本の再生」を上梓された植草一秀さんは、増税ではなく、建設国債などの発行により国民への負担を求めずに、(我々が住宅ローンで住まいを購入し、月々返済していくような形で)復興に対処すべきだと主張されている。 増税をすれば、可処分所得が減少するので、国民はさらに安い物しか求めず、車や住まいなどの高価な品物の購入をしなくなる。 必然的に経済は停滞するわけで、その結果税収入も減少してしまう。 増税は経済低迷という悪循環を引き起こすものである。
バブル経済が良いとは言わないが、皆収入が増えると思えばどんどん買物もするので、経済は成長する。 安定した雇用もなく、年金や社会保険など国の保障も将来危ないとなれば、人はカネを使わない、否、使えなくなってしまう。
素人であっても、その程度の算段はできるのに、非常に残念なことだが、そんなことも思慮できない野田首相はじめ政治家や企業家がこの国を不幸にしてしまっている。
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