戸隠、鬼無里、小川村と抜けて、その場所は白馬村に入ったばかりのトンネルの出口であった。 坂をそのまま下れば白馬村の中心に出られるという場所である。
その場所で、村からバイクで上がってきたという一人の古老に会ったのである。 天気の具合を見て、バイクで上がってきて、しばしば山々をカメラに納めているとのこと。 山のこと、季節のことなどをうかがっているうちに、お齢が86だと分かった。 別の季節の時の写真を送るからと、住所をお知らせし、その時はそのまま別れた。
そして、しばらくして達筆なお便りとともに、別の季節の写真を送って来られた。
その後、お住まいの村へ訪ねたり、電話で話したりしているだけだが、大学の成人学級に参加されたり、書を楽しまれるなど、家内と随分と話題が共通し意気投合していた。
今日、その方からお電話をいただき、92歳になられた由。 もう書物や書の話しはあまりできないが、電話で普通に話しができるほどお元気であった。 戦争中は、兵役についておられたのであろう、昔の話はされないが、大変厳しい勤務につかれ、戦後もご苦労をされて来たようだ。 そんな雰囲気が時折言葉のはしはしに出ることがある。 変わりすぎた日本の今の社会を、いつも憂いておられるが、ご自分の苦労をあからさまにしない分、その思いがいつもこちらに伝わって来る。
��5年前の痛んだネガをスキャンしてみたが綺麗には取り込めない)
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