信濃町に関係ないのだが、北陸新幹線全面開通の際には、長野・直江津間の路線が廃止になるか、第三セクター化するか、どちらかになると思われ、今回のJRの鉄道事故を考えてみたい。
今朝の報道で死者数が90名を越え、30年以上前か、横浜市鶴見で起きた160名につぐ大惨事になったとのことである。 このような時にいつも思うことだが、救出作業にあたられている警察官や救急隊員達のご苦労というか、悲惨な状況を目にしながら働いている姿に頭が下がると同時に、事後の精神的なケアがなされればと切に願っている。
さて、この事故発生の原因だが、JR西日本は”置き石”を表面に記者発表しているようだし、専門家や報道は”スピードの出しすぎ”だと述べ、それらを含めた複合要因と記載する新聞紙も出てきた。
確かに、主因は遅れを取り戻そうと、運転手が速度を上げ過ぎたものだろうが、それだけで片付けられる問題ではない。 この運転手が過去に何度か遅れを発生させているという報道も何か運転手一人の責めに帰させる雰囲気が感じられる。 遅れを発生させることによるペナルティーを回避したいという気持ちにさせたとしたら、組織上の問題であろうし、旧式ATSを未だ使っていたというのは、会社の安全管理を怠り利益優先の姿勢が問われることになるであろう。
また、あそこにビルがなければこんな惨事にはらなかったと思うと、線路脇の劣悪な住居環境にマンション建設をゆるし、都市の過密化を是正しない地方行政も問題だ。 さらに、遡ると国鉄を分断し、当時の負債を市中の資金でまかなおうとした政府そのものの施策も遠因として上げられるのではないだろうか。 結果、利益と管理優先の企業が出来上がり、従業員への締め付けや不満のはけ口としての列車走行妨害などを伴い、今回の事故が発生したものであろう。 それこそ、「複合汚染」の末路なのである。
今、まさに郵政事業が赤字だと、民間資本で赤字を解消しようと民営化の方策が練られているようだが、その裏には早晩政治家に擦り寄る利権屋が蠢いていることであろう。 そこには、もう市民一人一人の顔を見た政策がない。
国や地方の行政にアンテナを高く上げる必要があるのだが、押しなべて日本人の民度は低い。 立花隆さんは、日経新聞に中国で起きた反日運動の原因は「小泉総理大臣の節操のない行動が原因」とはっきり述べている。 女性スキャンダルでやめた元衆議院議員を推薦し再選させる団体も選挙民もしかり。
我々の子々孫々に豊かな日本を残すためにどうすれば良いか、一人一人が自分の問題として考えたいものだ。 そういうふうに考えないと、不慮の死をとげ人生を狂わされた犠牲者の方々に申し訳けないし、安らかに成仏していただくためにも日本人としての大事な責務ではないかとも思うからである。
(旧徒然日記から転記)