
写真展の会場は、横浜MM地区の駅から10分ほど歩いた所で、JICAビルの一室で海外移住資料館がある所であった。 展示してある写真はすべてモノクロで、移民一世の年輪を十分に感じさせるもの。 会場に入ると、かつて移民船が着いたという桟橋の跡で、今は朽ちた柱しか残っていない浜辺の写真が右手に置かれ、左手には案内状にも印刷されている、お盆法要で祈る老人の姿が懸っていた。 どの写真も開拓などのご苦労が偲ばれるものであったが、写っている人たちは殆ど他界されているらしい。
写真会場は、海外移民の100年を詳細に展示している資料館の一角で、資料館には、県別の出身者数から始まり、海外での農作業や生活などを、レプリカや映像で分かりやすく展示・解説していた。 移住した中には、いわゆる負け組となった人たちもいたことであろう。 写真展ともども、同胞として身につまされるというか、彼らの心に触れざるを得ない心境になった。
その写真展へ行く途中に、周辺の桜風景を撮ってみたのが次の写真。 どの桜もすでに満開で場所によっては花吹雪が始まりそうな気配すらあった。 桜の花を楽しむ頃に収穫できるからか、あるいは桜色という色からであろうか、サクラマスや桜エビ、サクラダイなどとサクラを冠した名は多い。 これほどに桜は日本人の心情に合う花なのだが、最近の吉野桜は色あせたものが多いようだ。 害虫その他の要因で今の時代の桜も長生きできないらしい。 桜の花を楽しめるのは1年に1回。 自分に残された人生を考えると、あと10回か20回か、それとも数回しか見られないか誰にも分らない。



0 件のコメント:
コメントを投稿