野尻湖フォーラム42が届いた。
巻頭には、前田道雄さんという方の「野尻と私のご縁」、そして絶筆となった絵「北信濃野尻湖」が掲載されている。
自分は門外漢なので全く分からないのだが、日本語(人)の良さを考えた時に挙げられるのが、この「縁」や「慮」などという言葉(表現)ではないかと思う。 決して外国語では表現できず、また外国人にはこのニューアンスが理解できないであろう。 まぁ、海外の人ばかりでなく、現代の日本人は一種の外国人になってしまい、こういう言葉に感じる心根を持ち合わせていないかもしれない。 前田さんは"ご縁"のおかげで野尻湖畔に住まいを持たれ、そしてその後の縁が広がっていったとここに記されている。
このように野尻湖への想いを深く持つ方々がおられる反面、野尻赤川産廃処理場計画実行に連綿とこだわる町民がいまだ居るようだ。 個々の利益や金のために、北信濃や新潟県を含めた広い自然環境を破壊して良いものでないと思うのだが。 一度破壊した自然はなかなか元に戻らないし、それこそ子々孫々への笑い愚さにもなろう。
報告を見る限りでは、計画の中心企業である㈱高見沢は、昨秋町民を愚弄したような、内容のない説明会を実施した由。 その際に出た疑問や質問に以後回答することもなく、野尻区で再び説明会を実施したいとう申し入れがあったようだ。 計画実行に向けた外堀を埋めようと、地元への説明会も「実施した」という実績作りだけのためかもしれない。 県知事や県議会、県議員に強いパイプや深いコネを持つ企業だからこそ、計画実現にむけての自信を持ち、地元へは在り来たりの説明会を繰り返すという、そこには真摯な態度は全く感じられない。
信濃町も野尻区も計画を判断するにあたり、変な平等意識は捨てるべきで、町や野尻地区に落ちるであろう僅かな金に翻弄されてはならない。 豊かな自然を孫子に残すという一点で、計画を撤回させるよう早期に決断すべきだ。
今、出久根達郎さんの「今読めない読みたい本」という著作を読んでいる。 出久根さんは古書店の店番をしながら沢山の本に接し、それを題材にエッセイを書いているが、本書の中で、NHKアナウンサー和田信賢の著書「放送ばなし アナウンサア10年」のことに触れている。
和田は、昭和16年12月の開戦放送と昭和20年8月の敗戦放送に携わった人だとのことだが、太平洋戦争は敗れるだろうと予感していたと記しているとのこと。
その理由は、「五ん」。
「五ん」とは、「ぐん」「かん」「あん」「がん」「ばん」だと記す。
「ぐん」は軍、「かん」は官。 権力にものをいわせている軍人や官僚(含む政治家)がいるからだと。
「あん」は闇、軍需成金だという。 札束で顔を引っ叩く様な輩を言うのであろう。 現代でいえば、ワーキングプアーや非正規雇用などを是認する、日本経済を握る奥田や御手洗のような不遜な人間が巣くう経団連の面々であろう。
「がん」は顔、顔を利かせて物資を動かす手合いで、戦後の国際興業(小佐野賢治)や西武(堤清二)などがこれにあたる。
「ばん」は番、順番を待ってようやく配給物を手にする情けない国民。
現代の所業を見ていると、戦後60年以上経ているのに、日本は何も変わっていないことになる。 国民、住民、消費者、どれを見ても個の利益に埋没し、日本社会や食習慣などの良化に拘泥しない、思考を停止してしまった日本人の存在が一番問題なのであろう。
本号にはもう一つ、野尻湖畔に親水公園が出来たと池宮さんの記事がある。 東大寮の跡地を利用された由。 水辺に触れられるというので、この夏には行ってみたいが、車を停めるスペースはあるのかな? 道路に停めるようでは、車の往来が多い夏は少し危ないかもしれない。
そういえば、18年前の初夏、この東大寮の水辺付近を歩いたことがあるが、寮の管理人の叔父さんがモーツアルトを大音響で聞いていたことを思い出した。
今日の暦から : 甘い飲み物より水か麦茶
信州の北、新潟県との境にある黒姫高原での生活情報を伝えようとホームページ、そしてブログを開設してきましたが、定住がなかなかかなわず、地域情報をあまり集められません。 その他諸々も併せ気ままに記すことにしています。
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