「田舎暮らしはもうたいへん」という、1999年発行の本を読んだ。 著者は、1990年頃から飯綱高原に住んでおられる日乃詩歩子さんという方。 字体からするとたぶんお名前はペンネームであろう。
13年間長野市内でご主人がピザ屋を開いてから、発起して飯綱に店と住まいを移したと、その後の8年間の生活の諸々を記している。 本書によれば、ご主人に家事育児をまかせ、ご本人はライターとして全国各地へ取材の旅に出ていたと、月刊誌「田舎暮らしの本」や長野市民新聞などにエッセイを書かれて来たらしい。
本書は、田舎暮らしのノウハウ本というより、田舎暮らしの出来事を井戸端会議風に饒舌な女性の話を聞くといった感じである。 平易だが、話し言葉が続くので、読み続けるのが途中で面倒な気にもなる。 しかし、田舎暮らし体験者にとっては共通項があり、うなづけられる部分が多くて大変面白い。
それにしても他人の別荘の敷地に入って山菜を採るばかりでなく、床下に置いてあるような資材まで盗む別荘族がいるそうだ。 また都会風を吹かせる別荘族がいたりで、うわべだけの田舎暮らしをする別荘族がいかに多いかを教えてくれる。
「隣の村のAさんは、・・・」などとはじまる項には、たぶんそう遠くない信濃町で起きた話題もあろう。 飯綱は、戸隠も信濃町も牟礼も、そこに暮らす人々の姿に大きな違いはないと思う。 そういう意味では、田舎暮らしの現実を知ることが出来るので、これから移住を考えている方は読まれると参考になるかもしれない。
毛虫に触れてしまった時は、その毛が肌に刺さるそうで、ガムテープなどで毛を抜き取ってから消毒した方が腫れが酷くならないそうだ。 また蜂などの場合は特に毒を吸い出すことが必要で、ご主人が刺された時は2時間も吸い出したようなことがここに書かれたあった。 そういう意味でも田舎暮らしに役立つ書籍である。
現在、ご主人は台座法師池近くで、水車小屋の形をしたピザハウスを経営しているらしいので、本書出版以降にお店と住まいを分けたようだ。 ビーナスラインの前なので通りすがった時にでも立ち寄ってみよう。
今日の暦から : 救急箱に病院の電話番号
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