常住場所での我が居室の昨日の温度は13度~15度を示していた。 たぶん外気温は10度を割っていたと思うが、こんな状況で畳1枚ほど大の電気カーペットで暖を取るのは厳しく、ジャケットを重ね着したもののパソコンのキーボードをたたく指は冷たくかじかんでいた。
黒姫であれば床暖房をつけ薪ストーブを焚くので、外が0度であっても室内は20度を越え、暖房の無い二階の部屋でも寒さを感じない。 冬の住環境は黒姫の方が断然に良いのである。
さて、あしなが育英会から、「受領証明書ご送付と事業報告書ならびにお願い」という文書が届いていた。
毎年わずかな金額であるが、交通遺児など働き手を亡くし高校や大学への進学に悩む若者を支援しており、その寄付行為の年度報告なのである。
この報告を見ると、寄付総額では前年比98%とやや減少傾向にあるらしい。 昨年からの世界的な大不況の余波がこういう所にも影響しているようで、本報告の中にあしなが育英会が行ったアンケート結果が記されており、生活窮乏や進学断念を切々と訴えている。
日本国憲法第25条には、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とある。 母親のパート収入だけで、家族の生活を維持し子供達を学校へ通わせるのは困難そのもので、最低限度の生活の維持が難しいと誰でも分かるであろう。 先の「年越し派遣村」に集った、働きたくても働けない人たちの存在と同様に、国・地方含め、役所(行政)が十分に機能していないことが分かる。 そして、その火種が小泉・竹中による強者論理の政治であったことにようやく理解する人が増えて来たようだ。
昨日の毎日新聞には、あしなが育英会のアンケートから「あしなが奨学金:高校生1割が進学断念 生活苦しくも8割」という記事を掲載している。
本記事を見ると、あしなが育英会の存在意義というものが分かるのだが、あしなが育英会への寄付は、所得税法上の「寄付金控除」の対象にならないのである。 間もなく確定申告の時期になるのだが、本申告書にはかかる寄付行為を申告できない。 もし、控除対象になれば、個人法人ともに寄付件数は増えるだろうし、もった沢山の若者を救済できるはずだ。 意味もなく(無能な議員に払われる歳費や軍艦・戦闘機購入にあてられる軍事費などの一部になる)所得税を払うより、存在意義のある団体に寄付した方が余程良い。 加え、将来の日本を背負って立つ若者を育てようとしない官僚の思考を180度転換させる必要もある。
毎日新聞の記事では、若者の窮状のみを記しているが、育英会が寄付金控除の対象になって、より多くの若者を助けられる寄付が増えるよう、もっと掘り下げた記事にすべきであった。 制度上の問題点を提起し、国民や行政に訴えるのも報道機関の役目であろう。
あしなが育英会の報告書に記載されていた、「お母さんのつぶやき」と「このデータを見て下さい」をご覧願いたい。
○「お母さんのつぶやき」
○「このデータを見て下さい」
続きに、毎日新聞の記事を残した。
あしなが奨学金:高校生1割が進学断念 生活苦しくも8割
親を失った学生を支援している「あしなが育英会」(東京都千代田区)は9日、奨学金を得ながら高校に通う奨学生の1割近くが、不況の影響で卒業後の進学を「断念した」とするアンケート結果を公表した。昨年9月と比べて「生活が苦しくなった」という回答も8割に上っており、育英会は「一人でも多く進学できるよう支援をお願いしたい」と呼びかけている。
昨年末から今年1月にかけ、高校1~2年生の奨学生の母親1878人を対象に調査を実施、814人から回答を得た。子供の教育環境の変化を複数回答で尋ねた質問では、73人(9%)が「進学をあきらめた」と回答。昨年2月の同種調査と比べて2ポイント増加した。「進学への意気込みが減退した」も131人(16%)だった。
9月以降の生活の変化では「とても苦しくなった」「苦しくなった」「やや苦しくなった」の合計が639人(79%)に上った。母親の失業率は9%を超えており、昨秋以降、勤め先の倒産や解雇で失職した母親も36人いた。仕事がある場合でも、6割近くはパートやアルバイトなどの非正規社員だった。
母親たちからは「派遣の仕事を12月にリストラされ、収入がなくなった。子供が心配して高校に行くのをあきらめるのではないか」「水道、光熱費、家賃はすべて延滞。単発のアルバイトなどでしのいできたが、限界です」と悲痛な訴えも寄せられている。
格差の拡大などにより、育英会への奨学金出願者は年々増加し、08年は2808人と過去最高を更新した。今回の調査でも、7割近くが「奨学金があるから学校に行かせてやれる」と答えており、「奨学金だけでは間に合わないほど生活が苦しい」という母親も110人いた。
だが、育英会の寄付金や返還金収入は増えていないため、08年の大学進学希望者への奨学金貸与率は過去最低の62%にとどまっている。アンケート結果を踏まえ、育英会は遺児家庭への支援拡充を要望していくという。【山本太一】
毎日新聞 2009年2月9日 22時50分
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