先ほど、主住地域付近を台風が北上していたようです。 最近の家には雨戸がなくガラス戸が多いので、近くで物がバタンと倒れるような大きな音がすると、それが飛んで来て窓ガラスを割るのではと、ちょっとヒヤヒヤしながらブログを書いています。 でも6時半頃を過ぎた辺りから風の勢いが弱く感じられるようになり、8時過ぎには何事もなかったように静かになりました。
以前、長野県内を台風が通過した時には強風で三水や豊野のリンゴ園のリンゴがたくさん落ちてしまい、農家の方は「笑うっきゃない」と自嘲気味に話していたことを思い出しました。 昔は、「地震・雷・火事・親父」が怖いもののたとえでしたが、昨今では、「地震・津波・台風」が災害の筆頭になってしまいました。 これからは人間が作った「原発」が加わることになります。
さて、先日、知人からか拡散しても良いと記されたメールをいただきました。
BCCで失礼します。◯◯です。栃木県からやっと群馬に抜けました。那須の山の広大な地域の東側が予想以上に汚染されていました。しかし4号線を南下してさくら市に入るあたりで突然線量が下がり、東京あたりと同じくらいの数値になりました。やはり森に見えない悪魔がたくさん住んでいるようです。しかし当たり前の話なのですが、汚染されていない森もあるので調べてみないとわかりません。汚染の現状を全体的かつ細かく知ろう☆というのが今回の旅の目的です。
連れのどーくんとぴーちゃんは息がぴったりのアツアツカップル。どーくんはアメリカうまれのシンチレーション・カウンター「DoseRAE2」。どーず、は英語で放射能です。彼は見えない悪魔があんまりいない所でも素早く見つけるのが得意☆ぴーちゃんはウクライナうまれのガイガーカウンターTERRA‐P+。彼女は見えない悪魔がうようよしていて、どーくんがパニクってる時にも落ち着いて、だいたいの数を教えてくれます。どーくんには見えないβ線を見る力もあります。彼女はいつもピッピッピッピッと言っていて、あんまりたくさん悪魔がいると、大声でピーッピーッピーッと泣きわめくから、けっこううるさい娘です。
この旅に出る直前に、実家から出た汚染土を持って、水戸の東京電力に行って来ました。
駐車場に入ろうとすると警備員さんが何のご用件ですか?と聞くので、庭から出た放射能がいっぱい混じった土を引き取って下さい、と後ろの土嚢袋4つを指差しました。警備員さんが東電の社員さんを呼んでる間に、駐車場に土嚢袋を下ろし、ハッチを閉めてカギをかけました。これでカギを開けない限りこの袋が車に乗ることはありません。
土嚢袋の放射線量を計っておこう、とどーくんとぴーちゃんを乗せると、すぐぴーちゃんが騒ぎ始めました。ピーッピーッピーッピーッピーッピーッっという甲高い声がビルに反射してあたりに響き渡り、東電社員らしい人たちが目をそらしながら通りすぎて行きます。警備員さんと目があったので「この中にた?くさんの放射能が入ってるんですよ?」と大きな声で説明します。リアクションが無いので、もう一度繰り返します。
総務課の男性社員が3人がやって来ました。
「これ水戸の実家を掃除して出た放射能なんで、引き取って下さい。東電さんの事業の中でできたゴミですよね。わざとでは無いでしょうが、事故でばらまかれたものですよね。」
「…その可能性はあります。しかし放射能はもともと自然界にも存在しておりまして、追加放射線量は…。」
「あーっ、また変なこと言い出してる。いいよ。じゃあ、その追加放射線量だけで茨城県の半分ぐらいは年間1ミリシートベルトぐらい汚染されてますよ!」
茨城の放射線量は福島に比べると低いけど、十分心配なものであることを詳しく説明し、もし人体に影響が無かったとしても、福島よりは少ないと言っても、多少でも放射能をばらまいたまま放っておいて許されるわけが無いことを説明しました。社員さんたちは聞かれたことにもはっきり答えず、黙って何も言わずに聞いてくれているので、だんだん饒舌になって行きます。
「中でお話を伺いましょう。どうぞ中にお入り下さい。」
私が大きな声で喋りまくっているのをさえぎります。
「やだよ!私はさっさと帰りたい。何であなたたちの世界の中に一人で飛び込まなくちゃならないの。第三者が見ているここがいいんだよ。中に入ったら録音されるかも知れないし、ヤクザが出てくるかもしれないじゃないか!とにかく放射能引き取って。家にはおいとけないから。」
「国が今汚染土についての処分方法を検討しているので、決まるまでは私どもの会社では何もできません。」
「だから国が決めたら、東電さんがそこに持って行ってよ。自分で出したゴミでしょ!ゴミなんて可愛いものじゃないよ。毒だよ、毒!人体に影響があっても無くても毒をまいたら犯罪でしょ。わざとじゃないから過失の犯罪でしょ。今回は国とつるんでやったことだから誰も捕まらないけど、普通に考えておかしいよ。年老いた両親やネコがいる実家には毒おいとく場所はありません!」
「…お困りのご家庭にアドバイスさせていただいているのですが、庭の隅に深い穴を掘って…。」「そんなの嫌です!」 社員さんがどーくんとぴーちゃんを使っていいか、と言うので、どうぞと答えると彼らは4つの土嚢袋を一つ一つ計り始めました。0.4、0.6、0.7、0.9。何か小声で話しています。0.9の袋を指して「これなんかなら…」と言ってるのが聞こえて何を話しているのか見当がつきました。
「おい、おい。今国が決めようとしてる除染基準1マイクロシートベルト以上ってそういうことなんだ★」
数日前の新聞記事が思い出されました。つまり国が1マイクロシートベルト以上の土を対象に決定してしまえば、1マイクロシートベルトに届いていない汚染土は東電も国も責任を持たなくて良いということにされてしまうのです。後はばらまかれた被害者が自己責任で何とかしなさい、と。その社員さんは1マイクロシートベルトに近い0.9の袋だけでも引き取ってくれようとしたのでしたが、そんな加害者の善意をありがたく頂戴しなくてはならない理由など私にはわかりません。
「茨城で1マイクロシートベルトの土嚢袋作ろうと思ったら大変だよ。あれは汚染レベルの高いところの話で、低いとこまで一緒くたにされては困る!大体どうやって計算したら年間1ミリシートベルト以下にするのに毎時1マイクロシートベルトになるわけ?毎時1マイクロシートベルトって言ったらとんでもなく高い数字ですよ。年間に直したら普通に計算して8.7ミリシートベルト。国が主張してる計算方法でも5ミリシートベルトを超えちゃうじゃないですか!茨城県ではそんなとこほとんどありませんよっ(>_<)」
気がつくと6人の男性社員に囲まれていました。最後に上役らしい社員が現れて、
「私どもの会社ではゴミのお引き取りはご容赦ねがいたいと思っております。ご理解よろしくお願いします。」
「理解できないっ!いくら理解しろって言われても私には理解できません。」
「責任は感じております。しかし国が方針を決定しないとこちらでは何もできないのです。」
「じゃあ何もせずただ待ってるだけ?国に責任丸投げして、あなたが感じている責任って何ですか?もし東電が大規模な除染のプロジェクト作って、先頭きって徹底的にお掃除すればみんな少しは見直してくれると思いますよ。」
「お引き取りできません。ご理解下さるようお願いします!」
「こっちもお願いします!このゴミ引き取って下さい!」
「引き取ることはできません。」
「じゃあ、あなたの家に穴掘って埋めて下さいよ。」
「個人としても会社としてもお引き受けできません。」
「…じゃあ、これ引き取ってくれるとこ教えて下さい。実家には絶対持って帰れませんので。」
「…。」
「もうこれ以上話しても無駄なようなので、これ置いて行きますので後はお願いします。」
と言って、車に乗ろうとすると、名前と連絡先を教えてくれ、と言うので、やだ、あんたら怖いもん。と言ってエンジンをかけると、素直に通してくれました。でもナンバーはしっかり見られてるでしょうから、後で何か変なこと起きなければいいな、と思いました★
こういう時一人でやっていると本当に不安になります。よかったらこの手紙を転送転載して下さい。多くの人が事実を知ることで、巨大な権力を持つ人たちを抑えることができるからです。よろしくお願いします☆
放射能汚染土を無理やり東電に届けたことの是非は別にして、このやりとりを見ていると、東電内に原発事故を起こした責任というものが周知徹底されていないように思えます。 非常な事故現場で過酷な作業をさせられている(その殆どが下請け労働者のようです)反面、東電社員の中には、まだまだ親方日の丸的意識の人たちがいるのでしょう。 東電の猪俣会長から末端の社員まで、「国の政策に従ったまでで、俺たちには何の責任もない。 文句があるなら電気を使うな!」というような大名意識がこびりついているように感じられます。
当該メールを送ってくれた方のように、福島県民を含め国民はもっと怒るべきで、国も東電もウソを突き通して国民の生命の安全を考慮していないのですから、彼のような実力行使もやむを得ないのです。 他人を傷つけるのは不味いですが、放射能汚染された土や野菜、魚類など、どんどん東電に届け、その補償対価を求めるべきです。 最近、補償請求に関する50ページ以上に渡る申請書類が被害者宛に発送されたそうですが、個人ではそう簡単に理解できる内容のものではないようで、一度補償金を受け取ると以後に重大な問題が発生した時には再請求ができないらしく、弁護士連合会でも安易に記名捺印して書類を送らないよう注意喚起しています。
さて、19日の脱原発集会の呼びかけ人方の発言の様子がユーチューブにアップされていることを知りました。 鎌田慧さん、大江健三郎さん、内橋克人さん、落合恵子さん、澤地久枝さん、フーベルト・ヴァイガーさん(海外ゲスト・FoEドイツ代表)、山本太郎さん(ゲスト・俳優)、武藤類子さん(ハイロアクション福島原発40周年実行委員会)、どなたのお話も胸に来るものがあり、核兵器を含め原子力の存在が人類の生命をこれほどまでに危うくしていることよく分かるものでした。
ユーチューブ映像から
9・19「さようなら原発集会」?6万人が参加
登壇者の発言要旨は、「さようなら原発 1000万人アクション」のサイトにも掲載されていますので是非お読みいただきたいです。 各氏とも胸に通じるものがあります。
落合恵子さんが、ビートルズ曲のイマージンを例に、災害を予測することの大事さを訴えていました。 「想定外」というのは担当者(官庁)の詭弁でしか無いのです。 これだけ科学が進歩した時代にあって、予測すること、想像することは十分可能であり、予測することはあらゆる生命の中で人間にのみ与えられた特別な能力なのです。 逆に考えると想定外として片付けようとする人たちは、そもそも人間としての知性も理性も持ち合わせない、本能(欲得)だけで動く動物ということでしょう。
無策な管政権が終わり、野田政権が始まっていますが、野田は来夏には原発を再稼働すると経済のことしか考えていないようです。 TPPも含め、再び国民不在の政権のようです。 やはり国民が議員を動かす必要があるでしょう。 地元の議員事務所へ出かけ、原発被害に対し、どう考えているのか、どう行動するつもりなのか問い続け、もし住民へ向かっていない回答であれば、支持しないことを含め要求すべきです。 政治家も官僚も公僕なのです。 公僕というのは「公民の下僕」ということです。 決して権力者や地権者でもなく、お上でもありません。 我々の税金で食わせてあげているのだという位の考えで、誤った思考を糾すのが我々一般市民の役目だと思うのです。