2年半ほど昔、3ヶ月近くをかけて韓国を巡る旅に出かけましたが、その時、あちこちで生協のような形や農業を主体にしたものなど、色々な共同体作りをされている地域の人々に出会いました。 農薬を使わずに自然農法に挑戦している人も多く、そういう方から日本の先人に学んでいると、福岡正信や木村秋則という名をたびたび聞きましたが、知識のない私には全く分からない存在でした。
家内の方は子供を育てる時分から、「良い食品」を得ることに注力し、有機やマクロなどなど相応の知識を得て、自分なりの判断を持っているものの、こちらはあてがいぶちの食事を戴くだけで、食品に対する理解というものが全くありませんでした。 そうは言いつつも、黒姫に通うようになり、農家の方のお話を聞いたりしながら、浅い知識ながらも蓄えつつあります。
その一つが「リンゴ」で、従前は果物の一種程度の理解しかありませんでした。 黒姫に通うようになり、豊野や三水、牟礼、豊田などで、リンゴを買い求めたり、りんご農家と親しくなって生産についての話を聞いたりもしました。 ただ「これは旨い!」と思っても、同じ場所でその味が毎年続くわけでもないので、最近はあちこち直売されている所を数多く訪ねて味を確かめることにしています。
そんなおり、岩木山麓でりんご園を経営する木村秋則さんの苦労話をまとめた「奇跡のリンゴ」という本に出会いました。 木村さんは、2006年にNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」という番組で既に紹介されていたそうで、あまりテレビを視聴しない身としてはこれまで知る機会がありませんでした。
数年前の韓国で知った木村さんという名前、そして今回「奇跡のリンゴ」を生むまでの木村さんのご苦労をまとめた本に出会ったわけです。 農業にとって「土作り」が一番大事であることがよく分かりました。
日本の多くの農産物は農薬にまみれていますが、虫がつかなくて一見良さそうな野菜が店頭に並んでいますが、農薬に育てられた野菜は簡単に腐るそうです。 生命力というのか、生きる力がないんですね。 自然農法で生産された野菜は、干からびたりするものの腐ったりしないと、これも韓国でとある農家の方から教えてもらいました。
結局、アメリカ型の農薬を使ったマス生産では、農家は農薬で体をこわし、土をダメにし、消費者は体に益のない食品を摂取することになるのでしょう。 今や大量生産大量消費の時代は終わりにし、「地産地消」という無駄のない安全と健康に根ざした農業が期待されているのだと思いました。
一度は木村秋則さんの手塩にかけたリンゴを食べてみたいのですが、会社となった「木村興農社」には、これまでのお客さんへの販売で手一杯で、新規の注文には対応できていないという説明が記されています。 残念ですね。
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