埼玉県川越市にある帯津三敬病院の名誉院長帯津良一さんの「死を思い、より良く生きる」という本を読んだと以前記したが、今度は同氏の「達者でポックリ」という本を借りることができ読んだ。 本書も「死」と向き合うためにはどうすれば良いか、単なる肉体の終焉ではなく虚空という大宇宙の大きな流れの一事象として捉えるための方策を示されている。
アルフォンス・デーケン神父が1980年代から90年代にかけて、死生観、死生学について提唱、講演されていたが、同じような思考(思想)ではないかと思われた。 動植物も含まれるのかもしれないが、人間の生命は全宇宙の流れの中にあり、人間がたまたま肉体という形で地球上にあるのは、その大きな流れの一事象であると考える。 そう考えると「死」というのは「生」の延長線上にあり、死後の世界でよりよく生きるために、今肉体としての生命があるうちに、どんな生き方をすれば、どんな生命の終わり方をすれば良いのかが問われていると考えるべきだということがよく分かってくるのです。
本書からいくつかポイントを残しましょう。
◯幕内秀夫「食生活改善の十か条」
- ご飯をきちんと食べる
- 醗酵食品を常に食べる
- パンの常食をやめる
- 液体でカロリーをとらない
- 未精製のご飯を食べる
- 副食は季節の野菜を中心に
- 動物性食品は魚介類を中心に
- 砂糖、油脂のとりすぎに注意を
- できる限り、安全な食品を選ぶ
- 食事はゆっくりと、よくかんで
「粗食のすすめ、レシピ集」
◯延命十句観音経
- かんぜーおん なーむーぶつ
観世音 南無仏 - よーぶつうーいん よーぶつうーえん
与仏有因 与仏有縁 - ぶっぽうそうえん じょうらくがじょう
仏法僧縁 常楽我浄 - ちょうねんかんぜーおん ぼーねんかんぜおん
朝念観世音 暮念観世音 - ねんねんじょうしんきー ねんねんふーりーしん
念念従心起 念念不離心
◯帯津式「達者でポックリ」のための十二か条
- できるだけ歩く
- 気功を身につける
- 旬のもの、地場のものを食べる
- 好きなものを少し食べる
- 酒をたしなむ
- 早寝早起き
- いつも希望とときめき
- 生きるかなしみ(旅情)をかみしめる
- この世は品性を磨くための道場と心得る
- 折にふれて死を想う
- わが弱点をサプリメントで補う
- いい場に身を置く
本書を読んで、食事の仕方や考え方など自分もほぼ同じ方向にあるなとは思ったが、これまで太りすぎではないか、適正体重に減量しなければという意識を強く持っていた。 帯津さんは「攻めの養生」と仰っているが、能動的な生き方をするというのには合点したし、また楽しく生きることが大事だと分かった。 そして自分の感性を信じることも大切でしょう。
最近の医療技術の発展にはめざましいものがあるが、それでも肉体は朽ちるものであり、体の生理について解明できている部分はごくわずかです。 医者は勉強と経験の中で診断し薬を処方しているのであって、病気を治す一手段としては良いでしょうが、完全な治癒方法などはないと思うのです。 患者というか我々自身が自分の体のことを知りより良く生かすことが大事だと思います。 私にはこれもきちんとした理解は有りませんが、数週間前でしたか、人間の自然治癒力にもとづくホメオパシーをニセ物だとか、人間には効果のないものだというニュースが流れていました。 そんなに断定するほど人間の知恵や医療技術は進んでいるのでしょうか? 製薬会社や医師会などの団体が自己の利益のために流した報道だとしか思えないのです。
私は半世紀以上生きてきて大病をしたこともなく、これからもガンなどにはならないと思ってます。 そういう体を受けたことに両親には感謝したいし、食生活などまっとうな考え方を持てて来たということでは幸せだと思う。 しかし、世の中には抗がん治療などで苦しんでいる方は多く、帯津先生の生き方などを参考に、意識を変えてくれれば良いのにと思うことがしばしばあります。 他人が口出しするわけにもいかないのですが、いつも気になっているのは、自転車で世界を走るエミコさん、古書の森の黒岩比佐子さんのお二人。 我が家で愛飲している大高酵素のスーパーオオタカや風雪などは健康な体を取り戻すのにふさわしい手段なのだが、これも認知や理解がない切迫している人に薦めるのは難しい。
第Ⅰ部 ポックリ編 ー ちょうどよい「死に時」とは
第一章 「達者でポックリ」は最高の死に方
「死に時」を逃がすとどうなるか
人間にはちょうどいい「死に時」がある
長生きは本当に幸せか
ちょうどよい「死に時」を見つける
生と死を統合させた楊先生
見事な最期を迎えたあるキャリアウーマン
ポックリいくための「死に方」を考える
急死でもいい ー 漱石が教えてくれたこと
道端で倒れて独り死ぬのも悪くない
第二章 「死後の世界」を生きる
死の不安を解消するにはどうしたらいいか
死の恐怖を突き抜けた人
死後に希望をつなぐための緩和ケア
不自然な延命治療を避ける方法
「死」は終わりではなく、旅立ちである
死後が楽しみになる考え方
「勢い」をつけてあちらの世界に突入する
一日一度「死」を思う習慣を持とう
私の死生観 ー 西洋医学の限界から感じたこと
第三章 「生命場」を高める
ポックリいくための「攻めの養生」
「生命場」とはなにか ー からだは臓器の集合体ではない
病気とは「生命場」の乱れ
「食」「気」「心」が養生の根幹
いい「馬」に身を置くことの重要性
場のエネルギーがいい病院を選ぶ
私が余命告知をしない理由
ある乳がん患者が起こした奇跡
自然治癒力を引き出し「達者でポックリ」を目指す
第II部 お達者編 ー 死ぬまで元気に楽しく生きる
第四章 「達者でポックリ」のための養生法
自分でできる「場」の高め方
食の養生 ー 大地のエネルギーを取り入れる
幕内秀夫先生の「食生活改善の十か条」
私の食養生 ー ときめきを大事にする
酒を「百薬の長」にする飲み方
心の養生 ー かなしさ、さびしさも受け入れる
予感と直感を大いに働かせて生きる
延命十句観音経を唱えて霊験を期待する
気の養生 ー 自分に合った方法を探す
私と気功との出会い ー ハリ麻酔で受けた衝撃
呼吸法で気のめぐりをよくする
第五章 「生命場」を高める代替療法
寝たきり、要介護、認知症を予防する
主な代替療法 ー 心理相関療法、気功、食事・栄養療法、漢方薬、ホメオパシー、鍼灸、サプリメント
代替療法の選択には直感が必要
第六章 「達者でポックリ」を妨げる健康常識
「健康」に振り回されるな
塩分は本当に控えなければいけないのか
メタボリック症候群は本当に病気の予兆なのか
降圧剤を飲むとポックリいけない?!
水をたくさん飲まなければいけないのか
笑うことは「健康の源」か
ストレスは解消しなければならないのか
タバコは「百害あって一利なし」か
第七章 ホリスティックな生き方のすすめ
人間としてホリスティックな五木寛之さん
人間を丸ごと診るホリスティック医学
西洋医学と代替療法を統合した「統合医学」へ
死をも視野にいれたホリスティック医学へ
ホリスティックな意識が高い看護婦
理想の大道を行きつくして
0 件のコメント:
コメントを投稿