植草一秀氏が著された「日本の独立」をやっと読み終えました。 本書は5百数十ページにもおよぶ大作です。
出版元である飛鳥新社のリーフレットの記載から
主権者国民と「米・官・業・政・電」利権複合体の死闘
国家の罠に嵌められた著名政治経済学者の逆襲!
対米隷属勢力を排して、日本は独立すべきだ。 主権者国民の敵「米国・特権官僚・大企業・売国政治家・マスゴミの利権複合体」を命がけの告発。 誰も書けなかった日本政治支配構造を完全究明する。
古くは律令制時代までさかのぼって歴史を検証し、特に明治維新での大久保利通らが確立した官僚主権主義が現代の官僚制度へと連綿と継続してきたと、その流れを克明に述べるなど、日本の現代政治の汚点を述べています。 特に一般市民には分かりにくい、戦後政治の60余年を平易に書かれているので、どこに問題があって、本来の主権在民国家とならなかったのかが良く理解できます。 分厚い書籍に、読み通すにはちょっと勇気がいりますが、これを読めば、日本の今の政治が国民のためのものでなく、如何に腐っているかがよく分かりますので、ぜひ多くの人に本書を読んでもらいたいと思います。
著者は、日本という国は特定の利権複合体の所有物になってしまい、国民のための行政が行われていないと、その利権複合体の存在を糾弾しています。 すなわち、米・官・業・政・電=悪徳ペンタゴンが日本の貧民層を作り出し、さらに拡大させているのです。 米は、当然アメリカ(の日本を従属させようとする一連の政策)、官は、身内の利権集約に熱心な官僚政治、業は、限りなく安い労働コストで法外な利益を追求する大企業、政は、これも利権に熱心な政治屋、電は、国民に必要なニュースを流さず、政府や企業に有利な情報、また検察警察が情報操作するためのリーク情報を一方的に流すテレビや新聞などのメディア。
この書を読むと、いかに日本の社会構造のあらゆる所で操作され、国民が騙されていることがよく分かります。 植草さんはかつて刑事事件に2度も巻き込まれたことがありました。 犯罪があったのか無かったのか、一般市民と同じように私も確証がありませんでした。 ただ、冤罪だと唱えるネットページなどがあり、ある種の疑問は持っていましたが、植草さんがブログで毎日記されている記事を読むようになり、植草さんの気持ちが少しずつ伝わってきて、あの事件は陥れられたものであったと考えるようになったのです。 そして、本書を読むに至り、植草さんという人物の凄さというか、熱意というか、陥れられた国家犯罪にも立ち向かう真摯な姿勢に拍手を送りたくもなりました。
件の事件は、当時、小泉竹中政権の政策に対し、植草さんが真っ向から反意を示したため、都合の悪い物には蓋をするか消してしまえと、作り上げられた犯罪だと確信しています。 内閣情報調査室、公安調査庁、公安警察など、法律が適用されることのない、裏で暗躍する人材にはこと欠かないセクションがあるのです。 小泉竹中から始まり、政治家、検察官、警察官、裁判官、地方の首長などなどが、この犯罪に加担したと思われます。 政治家がからんだ贈収賄事件などがあると、かならず事件の鍵をにぎる人物が自殺してしまいますが、本当に自殺なのでしょうか? 否、このように裏にいる人間が必ず暗躍しているはずです。 私が言うことでもありませんが、植草さんは殺されなかっただけでも良かったのかもしれません。 アメリカで要人の暗殺事件があると、表向き銃刀所持が認められていない日本はよほど安全だと思ってしまいますが、しかし政治の世界に限って考えると、必ずしも日本は安全でなく正義も存在しないのです。
著者は、あとがきの中で、このような日本社会だが、真実の情報を伝える手段としてブログなどネットツールを利用する人が格段に増えており、心ある同志が政治に影響を与えるまでになってきたと、そこに希望があるとしています。 最後には、「すべての国民が自分の目でものごとを見つめ、自分の頭でものを考えるようになるとき、日本は新しい時代を迎えるはずである。」と記されてます。
検察審査会に振り回されている小沢一郎さんも最近ネット効果を認識され、たびたびネットテレビやCSなどの番組で出ておられる。 夢かもしれませんが、小沢一郎さんと植草一秀さんが政治の中心にいたら、日本は格段にいい方向に進むのではないかと確信するに至りました。
以前、小森陽一さんの「天皇の玉音放送」を読みましたが、敗戦後、昭和天皇は御身大事に沖縄や日本本土をアメリカに売り渡し、本書でも「吉田茂」が対米従属路線を敷き日本を売ったと記しています。 岸信介もそうでした。 佐藤栄作、中曽根、??小泉純一郎、竹中平蔵、そして菅直人。 日本国民のことを忘れ、連綿と自らの利権追求とアメリカに貢ぐ悪徳政治家はなかなか消えそうにありません。 政治の表舞台にはいないものの児玉誉士夫、笹川良一、小佐野賢治などもいました。
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