信濃毎日新聞や信濃町観光協会のサイトにも記載がありますが、信濃町にある「原の閑貞桜」が枯死したとのことです。
私が1990年の春に初めて出会った時は立派な枝振りで豊かな花を蓄えておりました。 その後、枝ぶりも花も徐々に少なくなり、乾いたような感じの樹に愛でる気も萎えていたのですが、それでも2000年までは豊かに咲いていたと記憶しています。 あの時は、長野のテレビ局取材があって、案内した客人がマイクに向かって感想を述べ、その映像が夕方の放送で流されていました。
閑貞桜は、樹齢200年とか300年という、かなりの高齢であったのは確かなのだから、もっと皆がいたわる気持ちが必要であったのでしょう。 昔は、この桜の下で宴会をし、また酔った勢いで小用などをした人もいたと聞きます。 後年、樹勢を蓄えるためにと、枝を落としていましたが、あの処置も本当に良かったのでしょうか? 門外漢なので全く分かりませんが、まずは遠くから大事にする気持ちをもち、自然の理に人間が手を下すようなことはしてはいけないようにも思います。
信濃町には、もう一つ柴津の称名寺に、同じような樹齢のシダレ桜があります。 この桜も20年前と比べると勢いが弱くなって来たように思われます。 最近、町の観光案内でも紹介され訪ねる人が増えており、樹勢を吹き返すために色々方策をするという人も現れているようです。
80年とこの桜を見てきた寺主さんは、「人間が手を下すことが桜にとっては一番悪い」と、その申し出を拒否しているとのことです。 原の閑貞桜はむやみに手を入れたために、逆に枯死を早めたのかもしれません。 生物である以上「死」は当然の帰結であるのですから、余計なことをせずに、綺麗だからと枝を折って持ち帰ったり、長い枝を車の屋根などに触れさせるというような(その場所から痛みが発生するそうです)、桜にとって悪いことをしないように気をつけることが一番大事なようです。
「桜は遠くから愛でるもの」というのが鉄則なのでしょう。
1990年4月29日
2000年5月3日
2005年4月29日
2008年4月28日
2011年5月 2日
この写真は2002年5月3日のゲレンデに咲く里桜(八重桜)です。 先日14日にたずねた時はやっと開きはじめという状態でしたが、これを比べただけでも黒姫の今年の春は2週間ほど遅れていたように思えます。
(追記)信州オンライに掲載されていた記事(信濃町観光案内所記載のもの)を追加しました。(2011.6.1)
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