先月24日に記しましたが、今日は長野市内で開催されたドキュメンタリー映画「無言館」の上映会に出かけて来ました。 今日は「憲法記念日」。 何のための祭日なのかも知らずに行楽に出た人もいたのでしょう、高速道路を利用したら、小布施PAは駐車できないほどの混みようで、ガードマンが数名で車の整理をしていました。
今日の上映会の主催は、「長野市憲法9条の会連絡会」によるもので、場所は若里市民文化ホール。 以前にビックハットの隣と地図で確認していたのですが、なぜかビックハットがエムウエーブに替わってしまい、須坂インターを降りて着くと、そんな場所は見当たらず。 電話で問い合わせてどうにか2時の上映に間に合いました。
映画の内容は、無言館の成り立ち、活動、慰霊祭や成人式など年中行事などを写し、鎌倉にある横浜国大付属中学校の生徒さん達が小学生の時に訪ねた時と3年後に訪ねた時との印象の違いなどを聞くなどしていました。 そして最後には窪島さんが出て、20歳前後に亡くなった画学生と同じ年頃の若者には共感する部分が多いのではないか、若者に何度もたずねてほしいと仰っていました。 そして、「絵を描く」ということは「描く対象を認める」ことであり、言い換えると「対象を愛すること」だとも仰っていました。
展示してある絵を見て何も言葉が出なくてもいい。 画学生の思いを感じて共時できる場であることを願っていると仰りたかったのではと思いました。
映画終演後、館主の窪島さんが演壇に立って、1時間10分ほど話されました。
まだこの映画を見ておられないとのことで、映画の内容とかなり重複する話もありましたが、現在の無言館に至るまでのご苦労を思い起こされ、胸につまるものがあったようでした。 涙しそうな雰囲気も感じられました。 人生の中では、人に言えないこと、言ってはならないこと、諸々あると思いますが、窪島さんは邪気無く、思いのままに話され、その気持ちがじわじわ心に沁みて来るものでした。
最後に知覧の特攻兵が音楽大学の学生で、出兵する前(一生の終わり)にピアノを弾きたいと鳥栖の小学校に申し出があり、その2人のうちの1人は4日後に特攻で亡くなっていたという逸話を話されていました。 あとで調べたら、この話は「月光の夏」というタイトルで以前に映画になっているそうです。
後年、処分されそうになったピアノの前に、戦闘機の不調で特攻に出られなかったもう一人の兵士が現れ、再び「月光」を弾いた由。 友への思い、その「感動を伝えたい」、「感動を伝える」ことが我々の責務ではなかろうかと結論づけておられました。
窪島さんのお話は、これまで須坂・浄運寺でも聞いていたし、「明大前物語」など著作を読んでいたので既知の話も多かったですが、今回のお話が一番内容が濃く、我々のような年配者でも、何かしなければと勇気付けられるものでした。 そして、窪島さんは声高に反戦や平和を唱えることに抵抗があるようなお気持ちのようでしたが、名も無く消えかかっていた画学生の存在や彼らの作品を世に送り出し、遠く将来にわたって保存(顕彰)されるであろうという道程を作ったことでは、それこそ平和を願う活動そのものではないかと思うのでした。 そして、平和な国づくり、平穏な社会を願う心を醸成する出発点として、この無言館がもっと世に知られることを願うばかりでした。
終わって帰る時に、信濃町町議会議員のご夫妻に会いましたが、信濃町を離れた所でこういう機会にお会いできるのは何とも嬉しいものです。 講演の内容を録音しましたが、そのまま掲載するのは問題があるかもしれませんので、次に前半20分だけが聞こえるようにしました。(ご指摘を受け録音内容は削除しました)
5 件のコメント:
講演の録音を全てアップするのが問題だと分かっていらっしゃるのに、なぜ20分なら良いとお考えなのですか?
当日の講演の様子というか窪島さんの人となりを少しでも知ってもらえればと単純に考えたもので、お話の内容や20分という時間などに拘ったわけではありません。 冷静に考えると、やはり掲載するのは不味いと思われますのでサイトから削除いたしました。 安易な判断による掲載を諌めていただきありがとうございました。 今後ともよろしくお願いいたします。
ご対応ありがとうございます。差し出がましいことを言ってしまったようで申し訳ありませんでした。有料イベントでの講演のようでしたし、掲載はまずいと感じましたので。
ここからは単なる私見です。
窪島さんの「声高に反戦や平和を唱えることに抵抗があるようなお気持ち」というところは分かるような気がするのです。私も無言館開館当初頃から注目していた者ですが、設立の趣旨は「反戦平和」ではなく、画学生の遺志を受け継ぎ残していくことに願いがあったような気がしています。これは勝手な思い込みかもしれませんが、反戦平和の美術館として語る場合、それぞれの作品を作品としてみてくれない場合が多いような気がしているのです。
作品を見て、それぞれの作者を偲び、人生を考える…というのが私なりの慰霊です。
映画を見ずに書いていますので、的外れでしたら申し訳ありません。お騒がせいたしました。
ブログを開設している者として、いい情報やデータなどがあると、多くの人に知ってほしいとついつい勇み足になってしまう傾向があり、そういう意味ではお叱りをいただき有難うございました。
仰るように無言館は、ひとりひとりの画学生の作品から彼らの「生/生き様」を感じる場だと思います。 そして、我々、特にこれから社会を担っていく若い人達がどのように生きるべきかを自問自答する場でもあると思います。 その延長線に平和や反戦というテーマが出てくるでしょうが、それは二の次でいいと私は思ってます。(その方向へ進めば、それはそれで嬉しいです) あのような思索の場を与えて下さった窪島さんには感謝したいし、諸手をあげて応援したいのです。
窪島さんの講演の中で、感極まりそうな場面が何度かありましたが、本当にご苦労されたのだと思います。
「てにをは」や起承転結など、滅茶苦茶な文章のブログですが、賛意でも反意でも考えるきっかけになってくれればと、できれば社会的な問題に重きを置いて日々記していこうと思っている所です。 今後ともよろしくお願いします。
無言館の作品を介して自分と自分を取り巻く世界について考え始める子どもたちの姿を追うドキュメンタリー映画の上映会のご案内です。
美術館の入り口から入った子どもたちは、単なる美術鑑賞のステージから、やがて絵画作品との対話へのステージと進む。美術館を出た彼らはどのように変わっていくのだろうか。子どもたちが、神奈川県立近代美術館(神奈川県)と戦没画学生慰霊美術館「無言館」(長野県)の展示作品と「対話」をすることで、学習の成果は、時間の経過の中で徐々に子どもの中でカタチを変えながら内面化されていく・・・。
小学校時代に多くの時間を美術館で過ごした子どもたちのその後を、ドキュメンタリー映画化。10月の横浜をスタートに、長野、東京と順次上映会を開催します。
【上映映画】
★『Museum Trip(22min)<鎌倉の立てる像たち・拝啓鬼様>』
出演:横浜国立大学教育人間科学部附属鎌倉小学校卒業生有志
監督:森内康博
企画:稲庭彩和子(神奈川県立近代美術館学芸員<2009年当時>)
高松智行(附属鎌倉小学校教諭)
制作:(株)らくだスタジオ
協力:神奈川県立近代美術館、国立情報学研究所
制作年:2009年
��ドイツ「ワールドメディアフェスティバル2011」ドキュメンタリー部門入賞
★『青色の画布-十五歳 もうひとつの無言館-(50min)』
出演:横浜国立大学教育人間科学部附属鎌倉小学校卒業生有志(映画「無言館」に出演)
窪島誠一郎(無言館館主)
監督:森内康博
企画:高松智行(附属鎌倉小学校教諭)
制作:株式会社らくだスタジオ
協力:戦没画学生慰霊美術館無言館、
横浜国立大学教育人間科学部附属鎌倉小学校
制作年:2011年
��上映会1>『Museum Trip』『青色の画布』
■日時:10月30日(日) 19:00~
■会場:関内ホール(※横浜/JR関内駅徒歩5分)
■当日券:1000円
※メールにて事前にお申し込みの方は前売り料金の800円でご覧になれます。
○氏名○所属○人数 を明記の上、info@rakudastudio.com までお申し込み下さい。
■お問い合わせ:050-3585-7161(『青色の画布』上映会係)
��上映会2>『Museum Trip』『青色の画布』
■日時:12月3日(土) 19:00~
■会場:上田映劇(※長野県上田市/JR上田駅から徒歩)
■当日券:1200円
※メールにて事前にお申し込みの方は前売り料金の1000円でご覧になれます。
○氏名○所属○人数 を明記の上、info@rakudastudio.com までお申し込み下さい。
■お問い合わせ:050-3585-7161(『青色の画布』上映会係)
��上映会3>『青色の画布』
■日時:1月21日(土) ①16:00~ ②19:00~
■会場:キッドアイラックホール
��※東京/京王線明大前徒歩3分)
■当日券のみ:500円 ※窪島誠一郎氏のトークあり
■お問い合わせ:050-3585-7161(『青色の画布』上映会係)
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