信濃町の山間部に産廃最終処分場(産業廃棄物の埋立)を計画している業者が、昨年8月に開いた地元説明会にはじめて出席したが、素人目にも非常に杜撰な計画であることが分かったし、しかもそれまでの説明会で住民から要求された質問に業者は真摯に応えず、ただ安全であるという一点張りの主張に疑問を感じた。 住民の理解が得られないような計画をする業者に不信の念を抱いたのは町民のみならず、大学村や国際村の住民など、出席者の殆どであったと思う。
そこで反対の意思表示を何らかの形で自分にも出来ないかと産廃対策住民の会への参加を申し出た。 しかし、その後会からの連絡はなく、10月になってある方のブログを通してうかがうと、逐次メールで情報を配信されている由。 そんな中で産廃施設の計画地見学ツアーがあると聞き参加したものの、住民の会の動きについて何かしっくりと理解できないものが感じられていた。
そして今春、町議会議員選挙があった時期、配信された新聞の切り抜き写真などを当方が勇んで自分のブログに掲載したことで、住民の会へ迷惑をかけると同時に、自分と会との距離の隔たりを感じ退会することにした。
数ヶ月の間、自分としては正論を展開してきたつもりであったが、住民の中には複雑な関係があるようで、当ブログの産廃記事は、住民の会からも町役場や町長からも迷惑な存在となっていたようだった。 そこで、町外にいてタイムリーな情報が集まるわけでもないので、これまで記した産廃記事は残したものの、トップページからの産廃リンクなどは外し、あまり声を出さないようにして来た。
さて、その後の状況については知る手段がないものの、産廃問題を町・議会・専門家・町民などから構成される委員会によって調査研究されるよう、信濃町議会にこの4月請願があったらしい。 しかし、町議会では継続案件として承認されなかった由。 そして、その請願を審査する委員会も一般の傍聴をさせずに決定したとのこと。 産廃施設に対する各委員(議員)の姿勢(温度差)が町民に明らかになるのを恐れたのかもしれない。
どちらにしても、産廃施設は百害あって一利なし。 いつであったか、全く問題がないと海岸に近いある県が産廃施設を設置したが、海流の関係か海底の砂が削られ、結果埋めたはずの産廃施設が剥き出しになったという報道を見たことがある。 想定外の事態に陥ることは数多く、その補修保全作業となったら莫大な費用がかかるであろう。 特に信濃町に計画されている産廃施設は新潟県境の高台であり、真下は関川という一級河川が流れている。 平成7年の集中豪雨による関川の被災状況は信濃町役場のユーチューブ映像で見られるが、同じような規模の豪雨や地震などがあれば、産廃施設がどういう形で罹災するか計画している業者であっても分からない筈である。
「町長も町議会も町民も総論反対各論??」というのが現在の状況であろう。 しかし、住民の生命や健康、財産を守るのが役場の仕事であるということから考えると、付帯される諸事情は全て切り捨て、「信濃町には産廃施設を作らせない」という一点に絞り込むべきだと考える。
自分もそうだが、町外から来た人たちは信濃町の自然の中で終の棲家を築きたいと考えておられる方も多いであろう。 住民の健康を守れない信濃町では、そういう方々は諦めて去って行くであろうし、新たに来られる人々は少なくなる。 産廃施設は信濃町の過疎化を早める要因にもなろう。
町長、町議会議員、関係者の聡明な判断を期待したい。
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