昨日15日は敗戦記念日であった。 一般的には終戦記念日と呼んでいるが、太平洋戦争は能動的にも自然に終わったわけでもなく、明らかに日本が起こした戦いに日本が負けたのである。 だから、「敗戦」と言うべきだと思う。 そして、広島の原爆記念日からこの日まで戦争の悲惨さ、そして平和の尊さがたびたび叫ばれるが、あの未曾有の被害や、日本国民(のみならずアジア人を含めた)の苦しみを起こさせた、当時の政府高官や軍人に対し責任を求め糾弾する声はなかなか聞こえてこない。 逆に戦犯を奉ったという靖国神社に大臣が参拝することの是(非)ばかりが聞こえ、昭和天皇の責任問題に言及する政治家、知識人、書籍も非常に少ない。 そんな中、かつての軍国主義を彷彿とさせる皇国史観に基づいた文部省検定の歴史教科書を政令都市が採用することに決まったそうだ。 その中には作り話である神話までが収録されていると言う。 これでは先の大戦で犠牲となった兵士、一般人、開拓民、大陸から連行された人々達の生命を冒涜するものであって、戦後の人々(特に政治家や学者、官僚など)は何も学ばずに反省もして来なかったことになる。
さて、昨年の夏は黒姫にいて、「石の鐘のこだま」や「信州戦争展」など、かつての戦争を思い起こす機会があったが、今年は「嗚呼 満蒙開拓団」という映画を観た以外に何もなかったものの、昨日は、出版記念トークライブに出席して、日本に一番近い国である韓国とのかかわりについて考えさせられるお話を聞いて来た。
会場は、新宿のNaked Loft。 ライブハウスというらしい、普段なら全く縁のない場所で、小さなステージに30人位しか座れないようなフロアの一角に座った。 前半のミュージシャンについて事前知識がなくその演目も把握していなかったので戸惑う感じもあったが、皆若さに溢れ、思い思いの形でメッセージを送ろうとしている姿に共感できた。
そして、後半は、「蝶文明」を出版された正木高志さんのトークであった。 正木さんのトークはこれが二回目で、既に前回聞いていた内容もあったので、自分の理解を再確認する意味にもなった。 正木さんは熊本県の阿蘇山麓に生活の本拠を置き、自然神という観念だと思うが、東洋的思考のもとに、自然との関わり、人々との関わりを求め活動をされている。 そんな中で、原子力問題、日本の軍備問題(憲法9条)を強く意識され、アジアの平和は、日本国憲法の9条を支える所からはじまると、秋には韓国一周巡礼の旅を行い、今なお傷癒えぬ韓国の人々との融和や先の大戦の実態を理解し合おうと計画を進められている。(詳細は、正木さんのページとWalk9のページへ)
昨日手にしたばかりで本書はまだ開いていないが、春に芋虫がたくさんに発生して緑の葉を食べつくそうとするが、その虫はやがて蝶になり、花の蜜を吸い交配を助けるという自然の摂理から本書のタイトルを付けたものと思う。 正木さんには、既に「木を植えましょう」、「空とぶブッダ」、「出アメリカ記」、「スプリング・フィールド」を出版されており、家内は全部購入し読み終えているが、最初に出版された「スプリング・フィールド」が一番理解が難しいと云う。
正木さんは、たぶん自分と同年代だと思うが、朴訥とした話の中に若者を引き込む力があり、これからもいくつかトーク&ライブを予定されているようだった。
そして、会の最後にいつも歌われている「シャンティー」を聴衆と一緒に合唱し終了した。 「シャンティー」とは、「平和 - 心の平和」という意味だそうだ。
最後に、19日東京・高尾で予定されている正木さんのトーク&ライブのチラシと、三鷹で22日と23日に予定されている「三鷹 いのちと平和映画祭」のパンフを残そう。
0 件のコメント:
コメントを投稿