昨夜は、東京・お茶の水の明治大学で開かれた、シュロモー・サンド講演会「ユダヤ人の歴史とアイデンティティ」へ行き、「ユダヤ人の歴史はどのように創作されてきたのか」を聞いて来た。
氏は、テルアビブ大学の歴史学の教授だということで、イスラエルという国の国策に反するような主旨の著作(THE INVENTION OF THE JEWISH PEOPLE ー ユダヤ人はいつどのように発明されたか)を著して問題ないのか、まずそのことが気になった。
イスラエルと聞くと、まず1960年代に公開されたエクソダス(栄光への脱出)という映画が思いだされ、そして第二次大戦時にナチス・ドイツが残虐なるホロコーストで苦しめられた民族の国だというふうに、これまでは通り一辺倒の理解しかしていなかった。
戦後、世界各地にいたユダヤ人が建国されたイスラエルに戻ったとされるが、氏はユダヤ教に改宗した人々がイスラエルに住んだということだといい、ユダヤ民族というのはホロコーストなどから出来上がった概念だとも言う。 昔、パレスチナに住んでいた住民はローマ帝国などにより離散したが、2000年の間には人種的に交配を繰り返し、その姿は変わっているはずである。 あえて古代ユダヤ人に近い人種を選ぶとすれば、パレスチナ地域に住み続けた現代のパレスチナ人ではないかとm言う。
昨夜聞いた内容を精査して記すほどの理解がないので、本書を読んでからにしたいと思うが、氏は最後にメシア(救世主)がユダヤの民を救ってくれるという思考し、そして世界に散らばるシオニスト達がイスラエルを故郷と仰ぐ限りにおいては、パレスチナに平和は訪れないであろうと言っていた。 DAYS JAPANの4月号に、本講演会主催の一人である広河隆一さんが「ユダヤ人の起源」を特集されているので、そちらを読めば氏の意図がもっと分かるかもしれない。
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