今日は、50年前の日米安保条約改定に反対する学生デモに参加していた樺美智子さんが騒乱の中で亡くなった命日である。 半世紀が経つとは昔日の感があるが、あの頃と現在の日本は何ら変わっておらず、相変わらずアメリカに貢ぎ続けている。 希望がない分、あの時より悪いかもしれない。 そしてあの頃の学生や労働者は社会を良くしていこうという熱情を秘めていたが、現代の若者は日々暮らすことに精一杯か、あるいは軽薄短小な諸事に没頭しているのであろう、社会問題や政治問題には何ら関心を示さないようだ。 世の中は変わったものである。
特高警察が小林多喜二を牢獄で虐殺したり、横浜事件のように警察が事件をでっち上げて犯罪を作ってきたケースは戦後も数限りがない。 50年前の警察官は地方の農家の次男三男で貧乏で進学もできないような人材を集め、親の金で学ぶ学生の政治運動に対しことさらに嫌悪感を抱かせ、暴走を止めるのではなく、軍隊のように"やっちまえー"という意識に溢れさせていた。 その犠牲になったのが樺さんなのだが、警察組織はいまだその死が警官によるものだと認めていない。 戦前の特高警察の時代から警察は何も変わらず犯罪者を、そして冤罪を作り続け、現代も所謂私服と呼ばれる公安警察が市民の知らぬ所で暗躍しているのである。
確かに窃盗や殺人など市民の生活を脅かす事件は多い。 警察官の犯人逮捕にむけた努力は相当のものだと思う。 しかし、痴漢事件などのように関係者の証言を鵜呑みにして、事実が何であれ、とにかく犯行を認める供述調書を取ることだけに熱心な警察官も一方にはいる。 足利事件の菅家さんが無罪であったと裁判所が認定し冤罪が証明されても、当初の警察官や検察官どころか裁判官すら誤認を誤ろうとしない。 実に日本の司法制度は狂っているとしか思えない。
経済が低迷する時代にあって、若者は公務員や自衛官、警察官などを仕事先として選ぼうとしているらしいが、どれも止めた方がいい。 どれも清廉な仕事ではなく自分をダメにする仕事だと思った方が良い。 仕事に貴賎はないというが、人間の悪性を見続け、犯罪の有無を検証している中で、自分自身がそういう見方しか出来ない人間になってしまうのである。 そんなことを言わなくても、デモ現場などにいる公安の目つきを見れば分かることで、彼らの目はヤクザの目つきと何ら変わらず卑しいのである。
(追記:心優しい駐在さんという姿もあり一概に貶める見方はしてはならないと思う。 一般の仕事に比べ、暴力団に通じた悪徳警察官や捜査を偽証する刑事などの存在が浮き彫りにされてしまうので余計に否定したくなる側面もあるのでしょう。)
さて、樺美智子さんで検索してみたが、今日記事にしているのは毎日新聞だけであった。 マスゴミが日米安保問題は国民生活とは何ら関わりがないと、これほどまでに軽く扱っているのが情けない。(追記:アサヒにも短い記事がありました。)
日本の戦後政治は、昭和天皇から始まって池田、岸、佐藤(最近では小泉とか挙げたらキリがない)らが日本の国土と国民をアメリカに売り渡すことに主眼が置かれていた。 自民党政権の中で唯一田中角栄だけが、日本を真に独立させようとしたが、CIA+官僚であろうか、疑獄事件に巻き込まれその政治生命は絶たれてしまった。 そして民主党の鳩山も沖縄の普天間基地問題に対し模索していたが、就任8ヶ月ほどで辞めなければならない状況になった。 それは、社民党党首が連立から離れたからではなく、財界、マスゴミ、官僚がアメリカの指導の元こぞって辞任しなくてはならないような状況作りをして来たからだと思う。
今の菅内閣は非常に危うい状況にあり、その危うさは自民党政権以上かもしれない。 そういう状況にあって、日米安保50年を見直そうというシンポジウムが、この20日に予定されている。 時間があけば出席したいと思っている。 詳細はこのPDFを開いて下さい。 その中心になっているのが「9条改憲阻止の会」で40?50年前のあの熱情を思い起こし、平和な国を孫子に残そうと活動されている。 その一辺を映像にまとめたのがこちらのサイト「We 命尽きるまで」で紹介している。
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