大宅壮一はテレビ放送のことを「一億総白痴化」という表現をした。 その娘である大宅映子は白痴化にいっそう拍車をかけるような体制に迎合したコメンテータとして画面にしばしば出ているようだ。 以前にも記したが、韓国ではテレビのことを「馬鹿箱」と言うそうだ。 視聴者の思考を停止させ、一定の方向へ思考を誘導させているという点では、「白痴」も「馬鹿」という表現も当たっていると思う。
でも、具合の悪いことに白痴化されていることに気づいていない人が実に多いことである。 従い、我が家では極力テレビを点けないことにしているし、いい番組だと思っても、登場人物の思考を自分なりに判断してから見る。 しかし、地震や台風など緊急の情報となるとあれこれ考えるわけにはいかなくなる。 3月11日の大地震の際は黒姫にいて、テレビを置いておらず、すぐにラジオを点けたのだが、音声だけだと被災状況がよく分からず、隣家へ出かけテレビを観させていただいた。
現在のテレビ放送はアナログで来月24日には終了するとのことであるが、常住場所ではアンテナ設備が不要だということで引き込んでいるケーブルテレビが暫定措置としてアナログ信号を続けて流してくれるという話なので、テレビ放送のデジタル化は気にも止めていなかった。 しかし最近になって20年近く使用してきたテレビの画像が異様に薄くなってきた。 修理には当然費用がかかるわけで、仕方なく最新の液晶テレビを購入することとなった。
新しいテレビの画像は綺麗であるが、綺麗であっても番組内容が問題で、正しい情報を与えない報道番組やいい加減でウソを言うようなコメンテータや自称ジャーナリストが出てくる番組は見る気が全くしない。
そんな状況にあって、iPad / iPhoneアプリなどの紹介をしているAppBankというサイトを見ていたら、自宅の外にいても自宅チューナーを経由して(3G、Wifi通信で)iPhoneやiPad,PCでテレビ映像が見られる装置Vulano Flowを紹介していた。 地デジ放送をiPhoneで見る周辺装置は、バッファローやアイ・オー・データ(I/Oは最近)でも発売しているが、当然視聴するのは自分が居る地域の放送に限られていしまうが、この装置は設置してある場所(自宅)の放送なのである。
Vulkano Flowは、(BR)ディスク・レコーダー(チューナー)のビデオとオーディオ出力を逐次バッファリングしながらネットに送信し、本体から延びたIRケーブルの送信部をレコーダーのリモコン受信部前面に置き、レコーダーのリモコンに代わって制御をします。 そのためディスク・レコーダーに使用しているリモコンの信号を Vulkano Flowに覚えさせる必要があり、設置にあたっての中心作業となります。
Vulkano Flow本体にはコンポジットとコンポーネントの差込口しかなく高解像度は望めませんが、通信を軽くするためにはやむをえないのでしょう。 ケーブル接続は難しくありません。
最初に、ウインドウズPCを有線(Lan)接続し、Vulkano Setup Wizardを起動して、ユーザID他諸事項を登録し、最後にリモコン信号を覚えさせます。 このリモコン信号の学習作業が結構大変で、acceptしたかと思っても実際に記憶されておらず何度も繰り返しました。 本体はもともとアメリカ製で登録済のリモコンは向こうで販売されているモデルだけです。 実際にiPhoneなどで視聴する際には、画面にリモコンを表示させ、ボタンを押すわけですが、そのリモコンの形やボタンの名称などが色々で、事前にVulkano Flow側のリモコンのボタン名称と実際のディスク・レコーダー側のリモコンのボタン名称との対応表を作っておいた方が惑わず至便だと思います。
後になって、どのボタンにどの機能を割り当てたのか分からなくなってしまいます。 加え、レコーダーのリモコン・ボタン全てを割り当てると、操作が煩雑になるのでやめた方がいいでしょう。 ディスク・レコーダーに保存してある映像を見たり録画したり、チャンネル切り替えなど最低必要なボタンだけを割り当てれば十分だと思います。
販売しているアイオーデータでは、自社販売のチューナーのリモコン設定ファイルを公開しているのですが、国内の主要メーカーのリモコン設定ファイルも提供してくれれば、ユーザーとしては戸惑うことが少ないでしょう。
PCとMac用のplayer(視聴)ソフトは無料でダウンロードできますが、iPad / iPhone用アプリは1,500円(1回のダウンロードで両方インストール可)で、本体12,800円と合わせ、経費としては14,300円ということになります。
PC画面(起動直後)
iPad画面
iPhone画面
走行中の電車の中で3G通信で見ましたが、いつも綺麗な画像というわけにはいかないようです。 でも、黒姫にはテレビがないので、この方法で関東圏の放送が見られることになります。 ネットにつなげば海外旅行中でも見られることになりますが、3Gをオフにして余分な課金がないようにしなければなりません。
今日、アサヒ・コムを見ていたら、Vulkano Flowの広告フリップが掲載されていました。
アイオーデータの広告